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間違えて運に極振りしちゃったけど召喚士なら何とかなりますか? ~召喚で出てくる魔物が異常個体ばかりなんですけど!~  作者: やおよろずの
第四章 六大ギルドになっちゃおう!

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093 ホラー映画……?

ディガルさんに続いて、カイルさんまで倒れてしまい、冒険者たちは明らかに動揺していた。


だけど息つく暇もなく、彼らの周囲の地面が次々と光り始める。

そして、あの澄んだ音とともに、光の柱が続けざまに落ちてきた。


「──すごい、見ずに避けてる……!」


モーリー像からは目を離さない。

でも、足元の光を頼りに光の柱を避けないといけない。


そんなの私には絶対無理。

……というか、私の身体能力的に足元を見てても無理かもしれない。


それなのに、冒険者たちは何とかやってのけていた。


誰かの声に合わせて動いている人もいれば、ほとんど勘みたいな動きで光を避けている人もいる。

どうやってるのか全然分からないけど、とにかく凄い身体能力だ。


「やっぱり上位の冒険者ってすごい……絶対、私にはまだ早いよ……」

『ハハ、サキには僕たちがいるから心配ないさ。──実のところ、彼らがイントロで退場してしまう可能性も少し考えていたんだ。そうならなくて良かったよ:)』


でも、冒険者たちの状況は、どんどん悪くなっているように見えた。

最初は一つ、二つだった地面の光が、少しずつ増えているからだ。


「モーリー、これ……段々と激しくなってない……?」

『うん。だって曲というものは、サビに向かって盛り上がっていくものだよね:)』

「曲?」

『ほら、光の柱を曲になるように落としているんだ:)』

「……言われてみれば、曲に聞こえるかも」


そういえば、モーリーは自分のことを“奏者”とか言っていた。

奏者ってそういう意味だったんだ……。


そしてモーリーの言う通り、光の柱が落ちてくるテンポはどんどん速くなっていった。

冒険者たちも何とか避けているけれど、段々余裕がなくなっていき……。


「アッシェ!」


アッシェさんの足元が光るのを見て、レグさんが叫ぶけど、もう遅かった。

もう避ける時間はなさそう……。


するとアッシェさんは諦めたのか、心を決めたのか、大盾を地面に叩きつけるように構えた。

そして腰を落とし、真正面から受け止める姿勢を取る。


「──来てみなさいよ、化物」


アッシェさんのその言葉に、私は思わずモーリー門の方を見た。


「……モーリー、化物って呼ばれてるよ」

『ハハ、化物か。正直、完全に間違いとも言い切れないのが難しいところだね。僕は神に造られし存在だから、人間から見れば化物なのかもしれない:|』


モーリーには表情がないから分からないけど、

浮かび上がった文字からは、少しだけ寂しそうな感じがした。


──そして、アッシェさんの体に、光の柱が直撃する。


「ぐっ……あああああっ!!」


絶叫とともに、アッシェさんの身体が大きく吹き飛ばされる。

……のだけど、やっぱりアッシェさんもゆっくりと吹きとばされていった。


そんなアッシェさんを、モーリー像が静かに見る。

そしてまた全力疾走で、吹きとばされ中のアッシェさんに追いついた。


横に並んだモーリー像は、拳を振り下ろす。

鈍い音が響き、アッシェさんの身体は地面に叩きつけられた。


……でも流石なのは、アッシェさんが最後の最後で盾を間に滑り込ませていたことだ。

そのおかげか、あれだけの一撃を受けても、アッシェさんはまだ意識を保っていた。


「……この、やろう……ッ!」


アッシェさんは絞り出すようにそう言って、強気な姿勢を崩さない。

あんなにダメージを受けてるはずなのに……。


だけど、そんなアッシェさんの背中の下で、無慈悲にも光が灯った。

……つまり、そこにこれから光の柱が落ちてくるってことだ。


「……光の落ちてくる場所って、モーリーが決めてるの?」

『ある程度はね:)』

「じゃあ、アッシェさんに追撃したのもモーリー判断?」

『ハハ、実のところ、化物と呼ばれたお返し……かもしれないね:)』


え、実は根に持ってたんだ……。


「アッシェ、そこから離れろ!」


レグさんが叫ぶけど、もう間に合いそうにない。


──トーン。


アッシェさんに光の柱が落ち、大きく吹きとばされた。

こうなると、どうしてもモーリー像から目を離してしまうことになる。

そうなるとまた、モーリー像が全力疾走で追いついてきてぶん殴られる──というわけだ。


「……これ、冒険者側から見るとどう見えてるんだろう」

『おそらく、彼が瞬間移動しているように見えているんじゃないかな。実際には、彼がかなり速く走っているだけなんだけどね:)』

「なにそれ、ホラー映画……?」


像から目を離したら、一瞬で近寄ってきて襲われる──そんなホラー映画、ありそうだよね。


そんな何気ない私の発言に、モーリーは凄く興味を持ったみたいだった。


『ホラー映画……? なんだろう、それは少し気になる言葉だね。今度、よければ教えて欲しい。僕らのような存在が登場するものなのかな:|』

「うん、”像が動く”って結構ホラーの定番ネタかなーって。ホラー映画って、要するに怖いものを見たい人用の映像作品なんだけど……ほら、動かないはずのものが動くって怖いし?」

『ハハ、僕にその話で同意を求めるなんて、かなりクールだよね。僕たちってその代表格だと思うんだけど:)』

「あ、ごめんね? モーリーがその、化物だって言いたいんじゃなくて……」

『大丈夫さ、分かっているつもりだよ。君が僕を化物だと言いたかったわけではないこともね。それよりも、そのホラー映画というものにはかなり興味があるんだ。いつか見てみたいな:)』


うーん、映画ってこの世界にもあるのかな?

天影鏡(かめら)があるくらいだし、映像を残す技術自体はありそうだけど……。


……って!!!


「モーリー、前、前!!」


なんと、冒険者の一人──ソノイチさんが、いつの間にかモーリー門へ迫っていた!!!


ソノイチさんは、もうモーリー像から目を離していて、天界の試練(オラトリオ)のペナルティで時の流れが遅くなっていた。

それでも、かなりのスピードだ。

たぶん、私の全力疾走よりもずっと速いくらい。


その足には、緑と黄の光の線がまとわりついていた。

あのマギド・ゼブラスのときみたいに、魔法の力で速さを上乗せしているんだろう。


『ああ、君との会話に夢中で完全に忘れていたよ。それにしても彼、正直かなり速いね:)』

「褒めてる場合!? 辿り着かれちゃうよ!?」

『じゃあ、彼に少し急いでもらおうかな。あと、曲のテンポも少しだけ上げておくよ:)』


その瞬間、モーリー像が慌てた様子でソノイチさんに向かって走り出した。


同時に、光の柱が落ちるテンポも上がる。

まるで曲が転調したように、ソノイチさんの前方の地面が次々と光っていく。


でも、ソノイチさんは止まらなかった。

光った地面をギリギリでかわし続けて、どんどんとモーリー門へと迫ってくる。


『へえ、すごいね! 正直、あの速度でまだ避け続けられるとは思っていなかったよ。人間もなかなかやるね:)』

「ちょっとちょっと、大丈夫!?」

『大丈夫さ。ほら、もう彼が背後まで迫っているよ:|』


──見ると、モーリー像がソノイチさんの背後から飛び掛かっていた。

……恐怖映像だよ。どこからどう見ても。


『これも、君の言うホラー映画というものに近いのかな:)』

「うん、まさに! って感じ……」


そして、モーリー像の拳が、ソノイチさんの背中を殴りつけた。


「──ッ!」


ソノイチさんの身体が、前方──モーリー門の方へ吹き飛ぶ。

だけど、その前方では、すでに地面が光っていた。


──トーン。


落ちてきた光の柱にぶつかり、ソノイチさんの身体が再びモーリー像の元へと吹きとばされる。


そして最後は──待ち構えていたモーリー像が、おかえりなさいと言わんばかりに拳を振り下ろした。

ソノイチさんの身体が、地面に叩きつけられる。


──ソノイチさんのうめき声と、どぉんという大きい音が試験場に響いた。


「だ、大丈夫ですか!?!?」


ソノイチさん、モーリー像に二回も殴られてたよね……。

脳震盪とかになってないといいけど……。


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― 新着の感想 ―
正面には瞬間移動の石像と天から支援砲?の門。気を休める瞬間がないからホラーだね(恐怖)
モーリー結構かわいいヤツじゃん(笑) これからは語尾の顔文字にもちゃんと見よう。 動く像がメインのホラー映画ってどんなのがあったっけ?
「ねこふんじゃった」かな曲
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