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間違えて運に極振りしちゃったけど召喚士なら何とかなりますか? ~召喚で出てくる魔物が異常個体ばかりなんですけど!~  作者: やおよろずの
第四章 六大ギルドになっちゃおう!

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091 モーリー、何言ってるの……?

「続いて、サキさんの相手をする冒険者六名について説明します」


そう言うと、コナツさんは一人ずつ名前と階級を読み上げていく。


レグ・ウォルツさん──野良ギルド灰狼の爪痕(グレイ・スカー)所属の第五天位冒険者。

アッシェさん──第五天位冒険者。

ベン・カイルさん──第五天位冒険者。

エリーゼさん──第五天位冒険者。

ソノイチさん──第四天位冒険者。

ディガルさん──第四天位冒険者。


──第五天位?

ちょっと待って、今、第五天位って言った!?


第五天位といえば、ザラと同じ階級。

そのせいで感覚がバグってるけど、本来は普通にめちゃくちゃ上澄みの冒険者だよね……。

だって第六天位からは、五大ギルドの最上位層レベルって話だったし。


しかも、残り二人も第四天位……。

いや、それって私が今から昇格しようとしている階級なんですけど。

それがどうして、昇格試験の相手なの……!?


そんな私の大混乱を置き去りに、コナツさんの説明は淡々と終わった。


「──以上が、冒険者六名です」

「いやいやいやいや!!! 全員私より階級上じゃないですか!?!? なのに何で私が不利な勝利条件なんですか!?!?」


そう叫んだ私とは対照的に、なぜか六人の冒険者たちは、誰一人として余裕そうな顔をしていなかった。

……なんで?

私だけならその辺でつまずいて負けるまであるんだけど。


「確かに勝利条件だけ見れば、サキさんが不利です」

「ですよね!?」

「でも、それだけ条件に差がなければ勝負にならない──そう判断されたということですよ」

「えぇ……誰がそんな判断を……?」

「ラウゼン様です」

「出た!! 誰なんですかそれ!?」


コナツさんは困ったように笑うだけだった。





「──説明は以上になります」


コナツさんはそう締めくくると、訓練場にいるみんなを順番に見回した。


「開始前に、何か質問などはありますか?」

「一つ、確認させてくれ」


そう言って手を挙げたのは、魔法使いっぽい女性の冒険者──エリーゼさん。


「どうぞ、エリーゼさん」

「サキ側の召喚獣は、そのエルフと、その……門と像だけと考えていいのか? 彼女は召喚士ということだが、試験中の追加召喚も認められているのか?」

「はい、当然認められています」


そうだった。

今回はモーリーに戦ってもらうつもりだけど、いざとなれば私には召喚という手がある。

相手は六人いるんだし、こっちも数を増やした方が良いのでは……?


【時短召喚術】を使えば、今の私の魔力ならゴブリンを五体は召喚できる。

エルフなら二人。

……いや、でもエルフって今のところ癖が強いし、ここで何も知らないエルフを追加で呼んだら逆に混乱するかも?

その点、ゴブリンズは大人しくて、実績もあるから呼びやすいよね。


「モーリー、どうしようか? モーリーに戦ってもらうつもりだけど、念のためゴブリンズを二、三体くらい召喚しとく……?」


私はモーリー門に話しかける。

今回の主役に決めてもらおうというわけだ。


『ハハ、その必要は無いと思うよ。だって、彼らは(残念だけど)僕に近づくことすらできないだろうからね。手も足も出ないってやつさ:)』

「うーん、でも……」


私は当然だけど戦いのことなんて全然分からない。

でも、一つだけ知ってるのは、”戦いは数”ってこと、たぶん。

強い人でも、相手が多ければやっぱり不利だし。

対戦ゲームでも、かなりの実力差が無いと普通は一対六なんて勝てるわけがないし。


そんな私の不安を見透かしたように、モーリー門に新しい文字が浮かび上がった。


『大丈夫さ。実のところ、僕はこういう役目にかなり向いているんだ。神に誓ってもいいよ。それはつまり、僕を造ったおじさんにってことになるけどね:)』


……まあ、モーリーがそこまで言うならいいのかな。

それに、私にはアルテミスがいる。

そう思って横を見ると、アルテミスはいつも通り、私のすぐ隣に立っていた。


「問題ありません、マスター。近づく者は全て殺します」

「うん、殺しちゃダメなんだよね」

「徹底的にいたぶって」

「さらにダメだよ!?」


まあ、アルテミスはこう言いつつ(たぶん)まだ誰も手にかけていないはず。

……マギド・ゼブラスが生きていれば。


「……分かった。まあ、モーリーの頑張りも見てみたいし、今回はなしでいこっか」


私がそう言うと、コナツさんが確認するように頷いた。


「承知しました。開始前の召喚はしないということで。まあ、試験中の召喚も可能ですので」

「はい! 分かりました!」


私はこくりと頷く。


「それでは、両陣営は開始位置へ移動してください」


コナツさんの言葉に従い、冒険者六人が、私たちと向かい合うように距離を取る。

……すごい。誰かが声をかけたわけでもないのに、自然と前に出る人、少し後ろに下がる人、さらに後ろで構える人に分かれていく。

あれが、ちゃんとした冒険者の陣形なんだろう。


思わず感心していると、白亜の門に文字が浮かび上がった。


『サキ、申し訳ないんだけど、始める前に彼らへルールを伝えてもらえるかな:)』

「ルール? 昇格試験のルールならすでにコナツさんが──」

『うーん、それとは少し違うかな。昇格試験のルールじゃなくて、僕の"試練"に挑む者たちへのちょっとした案内なんだ。まあ、とりあえず読み上げてくれると助かるよ:)』


すると、モーリーの門に長々とした文章が浮かび上がる。

……え、なにこれ。

私が困惑している間にも、コナツさんは両陣営の位置を確認し、開始宣言のために片手を上げようとしていた。

や、やばい。


「あのー……」


私はおずおずと声を上げた。

すると、コナツさんの手が止まり、冒険者たちの視線も一斉に私へ集まる。


「なんかモーリーが先にルールを伝えておいてほしいらしくて……これを読むの?」


私は門に浮かんだ文章を何度か目で追う。

……全然、意味が分からない。

でも、読むしかないよね……。


「……えっと、じゃあ、とりあえず読みますね。モーリーからの伝言です──」


私は観念して、モーリー門に浮かび上がっている文章を読み上げていく。


えーっと……。


「彼を見ざる者、神速の接近あり。彼を見ざる者、裁きの拳あり。彼を見ざる者、一切の勝ち目なし」


……なにこれ?


「……我に挑む者、天より落つる光の柱あり。我は門であり、番人であり、天界を守る古き奏者なり。我に挑む者、光の律動を読み、我が門前へ至ってみせよ。ただし、片時も彼から目を離してはならない」


…………。


「目を逸らした者は──まあ、かなりクールな勢いで殴られると思うよ:)

──とのことです……!!」


──シーン。

訓練場に沈黙が落ちる。


「……な、なんだ?」

「意味が分からないわ……」

「…………」


いや、そりゃそういう反応になるよね!!?

私も意味分かんないし!!


何とも言えない空気に耐えきれず、モーリー門に詰め寄る。


「も、モーリー……!!! やっぱりいきなりこんなこと言っても変な人扱いされるって!!!」

『ハハ、良い宣告だったよ。ありがとう、サキ。僕の天界の試練(オラトリオ)は、挑戦者に宣告する必要があるんだ。そういうところ、かなり誠実だと思わないかい:)』

「もう、良く分からないけどこれでいいんだよね!?」

『ああ、十分だよ。これで挑戦者たちは、彼から目を離してはいけなくなった。宣告した以上、もう無視はできない。実のところ、かなり大事な手続きなんだ:|』

「え? どういうこと?」

『ハハ、見ていれば分かるよ。文字通り、彼を見ていればね:)』


私がモーリーとそんなやり取りをしていると、相手の冒険者の一人──一番後ろにいた大柄な男の人から声が上がった。


「──いいから早く始めねえか?」


ディガルさんの苛立ったような声が、訓練場に響く。

そうだよね。

相手からしたら、自分たちより下の階級の相手をしないといけないんだし、きっと面倒なんだろう。

さっさと終わらせたいはずだ。


「それでは、改めまして」


コナツさんは小さく咳払いをして場を仕切り直すと、再び片手を上げた。

そして、訓練場に響く声で告げる。


「第四天位昇格試験、開始です」


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― 新着の感想 ―
試験を受ける側が、試練を課してんの草
わかった、取り合えずこれはクールな試合運びにするための説明ってことだね(わかってない)
Oh fuck,真折磨,试验又开始了
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