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間違えて運に極振りしちゃったけど召喚士なら何とかなりますか? ~召喚で出てくる魔物が異常個体ばかりなんですけど!~  作者: やおよろずの
第四章 六大ギルドになっちゃおう!

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074 昇格試験の準備!

翌日。

今日の午後から黄歯車団(イエロー・ギア)の人たちが来て、早速魔法障壁とかの工事が始まるらしい。


パンさんとペールルージュさんは、例の評議会に参加するため、早朝から出かけていて不在。

どれくらい時間がかかるか分からないらしく、工事が始まる午後には、念のため私にはギルドルームにいてほしいとのことだった。


……ということで、今日は午前中にちょっとした用事を済ませにいこう。


その用事とは──第四天位への昇格試験について、受付嬢さんに話を聞きに行くこと。


……正直、ちょっと不安はある。

だって、第三天位の昇格試験のとき──ガルムたちが私を狙ってきたときなんて、かなりヒヤッとした。

あのときはジョンソンとブルースのおかげで何とかなったけど、第四天位の試験となると、たぶん相手はもっと強い。

私のステータスは相変わらずほとんど1のままだし、油断したら普通に危ない気がする。

でも、パンさんも早く昇格してほしいって言ってたし……頑張ろう。


というわけで、朝起きてまずは外出の準備。

ささっと身支度を済ませて、一階へ降りる。


朝ごはんは……聖脈果(せいみゃくか)かな。

一日一回、魔力の最大値が1上昇するんだし、食べない手はないよね。


カロリーはちょっと気になるけど、フルーツは朝に食べると良いって言うし。

それに、昇格試験に備えておきたいし。

……色々理由を並べたけど、結局は美味しかったからまた食べたい、という気持ちが一番大きかったりする。


そんなことを考えながら、聖脈果(せいみゃくか)を取りに裏庭の方へ向かうと、

何故かモーリーの像がリュバンス樹に水をやっていた。


片手でじょうろを高く掲げ、もう片方の手を優雅に胸元へ添え、腰を少しだけ捻ったポーズ。

その姿勢のまま、細い水の筋をリュバンス樹の根元へ静かに注いでいる。

朝日を受けた白亜の身体がきらりと輝き、手元から落ちる水まで妙に綺麗に見えた。


……何これ、美術館?


「モーリー、おはよう! 水をあげてくれてたんだ、ありがとう!!」


……モーリーの像は何も言わず、静かに水やりを続ける。

そうだよね、モーリーは像が喋るんじゃなくて、門に浮かび上がる文字で喋るから。

というかそのじょうろはどこから持ってきたの……?


モーリー像の自由さに驚きつつも、私は裏庭の壁際に立てかけてあった高枝切りばさみを手に取ると、

リュバンス樹の前に立ち、枝先に実った聖脈果(せいみゃくか)へ向けて、ぐいっと刃先を伸ばす。


……んだけど、ちょっと届かない……。


ジャンプすれば届きそうな気もするけど、残念ながらジャンプして枝を上手いこと切れるほど、私の運動神経は良くない。

何か足場になりそうなものはないかな……。


そう思ってあたりを見回していると……。


──すっ。


と、いつの間にかモーリー像が私の横に立っていた。


「うわぉっ!? モーリー!?」


さっきまでリュバンス樹の根元にいたよね!?

ほんの少し目を離しただけなんだけど!?


モーリーの像は、驚く私に構わず、片手を差し出した姿勢でぴたりと静止している。


……もしかして。


と思って、高枝切りばさみを差し出すと、モーリーの像はそれを受け取り、

まるで舞台の上で剣を掲げる役者みたいに、すっと高枝切りばさみを構える。


そのまま刃先を枝先の聖脈果(せいみゃくか)へ伸ばし──


ぱちんっ!


という小さな音とともに、黄金色の果実が枝から離れた。


落ちてきた聖脈果(せいみゃくか)を、モーリーの像はもう片方の手で優しく受け止める。


……所作がいちいち優雅すぎる。


「ありがとうモーリー!」


私が両手で受け取ると、モーリーの像は高枝切りばさみを壁際へ戻し、そのまま片手を胸元に添えたポーズで静止した。


「……モーリーも食べる?」


試しに聞いてみると、モーリーの像はゆっくりと首を横に振り、再びじょうろを手にリュバンス樹の方へ戻っていった。


……本当に自由だなぁ、モーリー。





朝食後、私はアルテミスに声をかけ、ギルド集会所へ向かうことにした。

すると、ちょうどザラとゴブリンズも出かけるところだった。


「あっ、マスタ~! お姉さまも、おはようございます~!」

「おはよう。お姉さまと呼ぶな」

「ザラ、おはよう! ジョンソンとブルースもおはよう! 今日は指名依頼?」

「はい、まあ……なんか今日のは特に面倒なやつなんですけどね~」

「そ、そうなの……?」


確かにちょっと声のトーンが低いし、いつも明るいザラの顔が心なしか暗い……。


「ところでマスターはどこにお出かけなんですか? お姉さまとデートですかね♡」

「その側面もある」

「うーん、その側面はないかな。今日は第四天位の昇格試験について、受付嬢さんに話を聞きに行こうと思ってて。だからギルド集会所に行くつもり!」


「あっ、マスターも第四天位を受けるんですね! ボクたちもこれからギルド集会所に行くので一緒に行きましょう~! ちなみに、お姉さまも一緒なら楽勝だと思いますけど、一応ボクが受けたときの話をしておきますね~」


ザラが受けたときは、ワイバーンやバジリスクなどが試験対象だったらしい。

どちらも灰焔の地下溶岩洞(アッシュ・フレマグラ)で見たことがある魔物だ。

知ってる分、気持ちは楽かも。


ということで、私とアルテミス、ザラ、ゴブリンズの五人でギルド集会所へ向かうことになった。


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― 新着の感想 ―
うん、美術館だね。 まあ、いわゆる「えこーさくし」(エコー錯視→周りが綺麗だと綺麗でもないものが綺麗に見える効果)ってやつなのかな。うん。(インターネット検索マン)
優雅な石像すごいな... 第4天位昇格楽しみです。まあでも余裕かな
2026/05/11 14:02 活字中毒者N
動く石像(優雅)
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