1-3-19
2943イメージソング
https://youtu.be/yrc1oGmkcak
「久しぶりに来ましたけど、やっぱりすごい気だな…子供の頃は何にも感じなかったのに…」
「本当だね、入口からすごく神秘的な空気を感じられるよ。」
「あれ、神龍八大王龍って書いてある…今まで八大龍王神社だと思ってました…」
「意味的には変わんないから、いいんじゃない?どっちでも。」
「ですかね…」
「ここを下って行くのか…」
「はい、気を付けて一歩ずつ行きましょう。」
「空気が変わったね。森林の中だからかな、空気が澄んでる感じだ。」
「私が子供の頃は、この辺の子供たちの遊び場でした。今思うと、ちょっと危ない遊び場ですよね。」
「結構急な下りだからね、あ、ここが参拝場所?」
「はい、裏には大きな夫婦杉があって、その奥には池と川があります。」
「うわぁ…これ、下に降りれるの?」
「子供の頃の記憶では、ひょいひょい降りて池に行ってたんですけど…これはひょいひょい降りれませんね。」
「子供って怖いもの知らずなところあるから、大人になってみるとこれはちょっと怖気づくよね。」
「なかなかいい場所じゃないか。池に龍は居ないようだが…特にあの池と川の境に強い気を感じられる。」
「さっき、ここの神社の由来が書いてあったんですけど、宇宙最高の神様だとか。」
「…宇宙最高の神ねぇ…浾湧が聞いたら喜びそうなもんだが、ちょっと言い過ぎじゃないのか?」
「それほどここの島の者達にとって、龍神とは大切なものなのだろう。嬉しいじゃないか。」
「ちょうようさんって方も、神社がお好きなんですか?」
「あ、うん、神社っていうか、龍好きっていうか、ナルシストで…まぁ、ね。」
「参拝しましょうか。」
「そうだね。」
「元龍が、龍に参拝するとは複雑な気持ちだろうな。」
「…うるせぇよ…」
『清厳様…泊渼様…お待ちしておりました…』
「…!」
「杉の木に宿っていたのか…」
『清厳様亡き後、微力ながら私がこの島をお守りしております…』
「これだけの気を放っているんだ、俺が居た時より遥かに強く守られている。」
『恐れ多き御言葉にございます…しかしながら、私の力では先刻の地揺れを防げはしませんでしたが…』
「…君は、龍から昇華している存在ではないのか?」
「左様でございます…名を渖涳と申します…」
「龍でありながらも、自然と一体化した不動の存在…この場からは離れられない。」
『…念を極限まで細く長く天へと伸ばし、この地に繋げているのでございます…』
「細い念が、何本も…これはすごいな。」
「彰さん、すみません、久しぶりに来れたので、少し長めに参拝してしまいました。」
「あ、うん、もういいの?」
「はい、たくさん龍神様にお話ししてきました。」
「下に降りてみよう。お前なら何か感じ取れるかもしれん。」
「…恵さん、下に降りてみてもいいかな。」
「分かりました、慎重に降りましょうね!」
「わぁ…気持ちいいですね。」
「上よりちょっと気持ち涼しい感じがするね。」
「…彰さん、先程からポケットが光ってますけど、スマホの着信とかですか?」
「え?」
「カシャ…懐中時計、入れてきてたの忘れてた。相変わらず輝いてるな…」
「それ…咲さんが、海で大事に持ってらした懐中時計…」
「あ、そうなんだ。あの時もポケットに突っ込んで持っていってたからな…」
「その赤い宝石…ですかね、すごく光ってますね。」
「エドワルド…なにかあるのか…?」
「そうか…清厳、水に触れてみるといい。」
「え?」
「エドワルドと繋がれるかもしれない。」
「まさか…」
「彰さん、危ないですよ?落っこちないでくださいね?!」
「チャポ…」
・・・ィイイイイイイイィイン・・・
「石が…熱い…」
「その石、池につけてみるといい。」
「懐中時計ごとか?壊れるぞ。」
「石だけはずしてつけるんだ。」
「はずすったって…あっち!…はずれた。」
「水につけてみろ。」
「チャポ…」
・・・シュワーーー・・・
「え?気化してる?!」
「赤い煙…!水面に…エドワルドか!」
『せいげん!ひどク小さクなったものダ!わははは!ようやくこの時ガきたのダ!お前に炎の力、授けよウ!』
「エドワルド!お前、変わらないな…って、うわっ!」
・・・ボォオオオオオオオォオッ…シュバッ!・・・
「胸が…熱い…!」
「あいつも、お前と共にあらんとしていた。力になりたいのだろう、炎を胸に命を燃やし続け生きろと…」
「ガラじゃねぇってば…まぁ、アイツらしい贈り物ってところだな。」
「どうだ、身体が軽くなっただろう。」
「…本当だ。」
「これで、彼女の補助なく動けるだろう。」
「エドワルド…恩にきる。」
「ここの池の水は、確かに宇宙と繋がれるだけの気がある。異次元の繋がりがあるとも言える、エドワルドもその気に反応したのだろう。そして、あいつの念願は叶えられた。」
「俺に力を渡すのが念願だったってのか?」
「…あいつにとっても、お前の存在は大きかったのだ。いつもお前だけがエドワルドに優しかったからな。」
「ただ相手してたってだけだろう…」
「お前は優しいからな、誰よりも。」
「お前には負けるって…」
「彰さん!大丈夫ですか?!」
「あぁ、大丈夫、水面の太陽の光が目に反射して眩しくてのけ反っただけだよ。」
「そうですか、手を…」
「大丈夫、もう、自力で歩けるよ。」
「え…本当に…え?どうして…」
「どうやら八大龍王様の力を授かったみたいだよ。」
「すごい…そんなご利益があるなんて…」
「本当に、すごい神社だね、ここ。」
「まだ、信じられません…」
「現にほら、自力で歩けてる。」
「すごい…よかった!来てよかったですね!」
「あははは、喜びすぎだよ。」
「エドワルドも、龍王の器があるということか。」
「かもしれない、竜王と言うべきだろうな。西洋の竜は念などなくても充分だな、見る目が変わったよ。」
「今度会った時にでも伝えておこう、喜ぶだろう。」




