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2943イメージソング
https://youtu.be/yrc1oGmkcak
「ここは…」
まるで絵画の地獄絵図の世界そのものだ。
眩しい光に包まれたと思ったら、赤と黒の混沌とした世界へ辿り着いた…
「イザナミ様、貴女様に仕えるべく、この淦澐、死して参りました。」
「噂は聞いておるぞ、龍王淦澐。我が息子のツクヨミより生まれし龍…あぁ忌々しい!」
龍王様…あのお方が冥界の神、イザナミ様…ということは、ここは黄泉の国か…!
「淦澐よ、そなたアマテラスやツクヨミ、スサノオの手にあったのじゃ、イザナギについて知りうる事全て申せ。」
「あいにく、イザナギ様のお噂程度しか情報はございません…未だあのお方を愛されておられるのですか?」
「たわけ、無礼者!我が姿を見よ、奴はこの見目におそれおののき逃げ去ったのじゃ!奴の言う愛などその程度!」
「畏れ多くも、私にはイザナミ様ほど美しいお方はおらぬと思うております…」
「…そなた、我が風貌を美しいと申すか。面白い、我が手足となりヤツらへ報復せよ!」
「なんなりと…」
龍王様は何を考えているんだ…俺は出て行くべきなのか?でも、一体どうすれば…
とにかく、この冥界から出なければならない気がする…
俺は…何か大切な事を忘れている…大切な、何か…
「どこへ行こうというのです。」
「姉者…私は心の声に従い、母の元へ向かう。」
「なぜ、父君の言葉に耳を傾けぬのです。」
「私は私に忠実でありたい。決して誰からも指図されたくはない、たとえ父上の言葉であろうとも。」
「…」
「止めぬのですか?」
「母君に会いたいと願うのは、何もそなただけではない…そうである以上、止めようがない。」
「私は姉上の様にはなりとうない。まして、兄上の様にも。」
「…」
「もうここへは戻らないので、父上にもよろしくお伝えください、では。」
「スサノオ…」
「泊渼、どこへ行ったのかと…」
「すまない、潢彩。アマテラス様へ願い出てツクヨミ様よりお言葉を授かってきた。」
「なんと、ツクヨミ様へお目通りいただいたのか?!」
「いいや、お姿こそお目にかかれなかったが、美しい御声に身も心も洗われたよ。」
「やはり、清厳が言っていた通りの御声だったのだな。」
「あぁ、それで、ツクヨミ様には何も案ずることはないと諭されたよ。」
「何も…?この状況でか?!」
「大丈夫、何もかも万事順調に事は運んでいる。たとえ、状況が悪い様に見えても、それは一時的な災いに過ぎない…はずだ。」
「この長きにわたる悪事を、一時的なものとは言い難いだろう!」
「…信じるんだ、恐れは虞を招く。今はとにかく出来ることを出来うる限りやらないと…」
「じゃあ何か?清厳の状況も一時的なものだと?あまり俺を怒らせるなよ!」
「悪い…俺もお前と同じ気持ちなんだ…ただ、その現状に振り回されてはいけないと感じている。」
「…そうか…取り乱した、まるで人間の様だな…すまない。」
「その人間に、清厳はなったんだ。元々人間に近い感覚を持ち合わせていた清厳だからこそ、人間に順応し生きて居られている。ただ、人間は脆く繊細だ。」
「だからこそ、我々が守ってやるべき存在なのだ。弱くも逞しく生きている…そんな人間達を愛でずにはいられない。」
「そうだな、清厳を守らねば…その為にも、島々を守り支えねば清厳の生きる場がなくなるだろう。」
「まずは島の平穏を保たねばならないということか…」
「あぁ、今まで通り、俺たちのやるべきことは何も変わらないんだ。」
「そういうことか…」
「次の集まりではエドワルドも来るだろう、心配性なあいつのためだ、清厳の事は伏せておこう。」
「あいつから授かった気の入っている石が今の清厳に反応を示さなくなっている以上、清厳の身に何かあったのだと知られているのではないか?」
「だとしても、生死を彷徨う清厳にしてやれることは無いだろう。下手に気に病ませることもない。」
「…お前はどこまでも優しいな、泊渼。」
「お前の優しさには負けるよ。そうと決まれば、皆にも龍王としての意思を伝えるべきかな。」
「龍王様らしくなってきたじゃないか。」
「形だけだよ、守る側の統率がとれてなきゃ守るものも守れやしない。」
「ついていくよ、龍王様。」
「頼りにしてるよ。」
「…」
「湠渓?」
『頼みの綱は切れている上に、繋げる術もない…あとは神任せか?』
「…そう煽るなよ、湠渓。」
『奴は、助けてもらっていると言っていた。』
「清厳…」
『だが、実際は助けを求めていたのだろう?』
「…」
『優しさで自分を殺すことを覚えれば、何もかも滅ぼすことになるだろう。』
「…滅ぼしはしないさ。たとえこの身が朽ち果てようともな。」
『犠牲の上に成り立つは安穏か、はたまた無常か…』
「心配してくれてありがとう、お前の優しさに俺は救われているよ。」
「いいな、兄妹の絆ってのは。」
「羨ましがってる暇はないぞ、これから長い闘いが待っている。」
「あぁ、共に闘うさ。」
「…」




