夜の仕事
国王視点です
「…ここか。」
いつもの服に黒いマントをすっぽり被って夜の空へ繰り出す。
闇に溶けて私の姿は見えにくい。
私に味方をしてくれたのか今日は雲は月を隠していた。
ゴットマザーを持って帰り、佳奈に任せてもう一度戻ってきた。
この家が残されていた訳を佳奈に調べてもらっていたのだ。
…その訳を聞き、もう一度戻ってきた。
ちょっと聞き捨てならない理由だったから、粛清をしに来た。それだけだ。
市長の家の屋根に飛び乗り、突き破る。
派手な音を立てながら市長の家に侵入する。
「だ、誰だ!」
パジャマ姿の市長が慌てて飛び起きる。
呑気な奴。舐められたもんだ。
「こんばんは。トーデン市長殿。冥界よりお迎えにあがりました。」
わざとかしこまって市長に向かって腰を折る。
「なっ、冥界だと?ふん、俺は死なんぞ!ふざけるな!」
雲が消え、月の光しか差し込まない部屋で顔を真っ赤にして怒鳴る市長。
「ふざけてなどありません。あなた様は本日死ぬのです。私の手によってね。」
口に手をやりクスクスとお上品に笑う。
「死ぬのはお前の方だ!第一俺はお前らに何もしてないだろう!!」
「…何もしていない?」
こいつは何もわかっていないようだ。楽に逝かせてあげようとしたのに…
「調べはついてるんだよ。お前、あの家…わざと残してただろう。うちのゴットマザーに手出しただろ?うちの家族に手を出しといてただで済むと思うなよ?」
自分でも驚くくらいに低い声が出た。
市長は腰を抜かしてガタガタと情けないくらいに震えている。
「ゴットマザーの過去を引き出して、パニックになってるところを殺すつもりだったんだろ?なぁ、そうだろ?」
「あ…ぁあ…死に、たくない…」
「あのおじいさんも仕掛け人。悪いけど殺させてもらったよ?じゃあ、次は…」
「お前の番だ。」
乾いた銃声が響いた。
その後あの村がどうなったかはご想像にお任せします。




