暗い部屋
「…。」
あの日からずっとこの屋敷の地下に閉じ込められている。
唯一の光源は窓から差し込んでくる太陽の光と月の光だけ。
毎日、執事さんが叔父様にバレないように私に本やお菓子を渡してくれる。
それが唯一の救いだった。
外に出たくても許されない。
部屋で青い空に焦がれるだけ。
最後に外に出たのはいつだっけ…?青い空を目一杯仰いだのはいつだっけ…?
空に鳥が舞う。
いいなぁ…私、鳥になりたかったかもしれない。
囚われることなく自由に自分の翼で駆け回る。
素敵だなぁ…
「やめて下さい!!ご主人様!」
「何故あの化け物に手を貸す?!お前なんて不要だ!!」
「ぁ…」
上の方からメイドさんの悲痛な叫び声と叔父様の叫び声がする。
物凄い音がしたと思ったら何か鈍い音がしてドサッ、と何かが倒れたような音がする。
まさか…!
「あのメイドさんが叔父様に殺された…?」
いつも執事さんと仲よさげにしていたメイドさん。私の所に来ては日記をくれたりお人形をくれたり…
嘘だ…私のせい?私の、せいで…メイドさんは叔父様に殺されちゃったの…?
ギュッとメイドさんに直してもらったお人形“ベルセルク”を抱きしめる。
ほんのりメイドさんの匂いがする。
いつもの、優しくて少し甘い匂い。
もう、会えないんだ。
もう、抱きしめてもらえないんだ。
もう、お話を聞かせてくれないんだ。
《死》は永遠のお別れだから。
大切な人が死んだはずなのになぜか涙が出ることはなかった。
「死は永遠のお別れだから」
ってなんか良くないですか?←




