扉
国王視点です
ゆるり、と瞼が上がる。
なんだか首元が痛い。
ゆっくり体を動かして記憶の断片を漁る。
確か…前線で戦ってたらあおに連れ去られて…
「…モモッ!」
まだ前線にモモがいる。助けに行かないと…!
「あれ?なんで部屋…?」
私がいるのはいつもの部屋のベッドの上。
あおが運んでくれたのかな?
どのくらい自分は眠ってしまったのだろう。急いで戦いに戻らなくては。
でも外は不気味なくらいに静かだ。
戦争中なら銃声や人の悲鳴、雄叫びくらい聞こえるはずなのに。
ー何も聞こえないー
「開かないっ…!」
扉を開けて外を確認しようとするも開かない。
なんで…?皆の所へ行かなきゃいけないのにっ…!ビクともしない。
ガシャンガシャンと乱暴に扉を揺するが壊れる気配は無い。
少し距離を置いて魔弾を放つが傷一つつかない。
「…チッ」
仕方がない。こうなったら『神の力』で…
「『神よ、我に奇跡を』!」
いつも通り呪文を唱える。
しかし、いつまでたっても気配は無い。
いつも現れるはずの神様はこない。
「なんで…?なんでこんな時に限って来ないの?!」
一人部屋の中心で叫ぶも、虚しく木霊するだけ。
もうぐちゃぐちゃだ。何も考えられないくらいに頭の中がぐちゃぐちゃだ。
「…なんで、開かないの…?ねぇ、出してよ…」
ズルズルとその場に脱力し、独り言を空間に向かって放つ。
言葉は空気に溶けて消えた。
ヒノキ花粉来やがったコンチキショウ




