月明 青葉
青葉視点です
城内に入るとそこには佳奈様が居た。
「あれ?ゴットマザー様は?」
「機械室に行ったけど…多分ミサイル飛ばしてるんだと思う。」
「…そうですか。」
ちょうど地響きがしたあたり、今発射されたのだろう。
かなりな数飛んでるな…こりゃ国一つか二つ滅ぶかな?
「あ、青葉。遅かったね。」
「ゴットマザー様、よくぞご無事で。」
「あったり前じゃん。誰だと思ってるの?で、シオンは寝てるの?」
「あ、はい。暴れられて面倒だったんで。」
「ふーん」
ドヤ顔で仁王立ちをするゴットマザー様。
佳奈様は遠い何処かを見つめて不安げな顔をしている。
「…シオン貸して」
「あ、ハイ。」
「ゴット、閉じ込めるよ。」
「あー、そゆことね。おっけ〜」
二人は国王を俺から受け取って一番上の階の国王の部屋へと向かう。
…いや、二人は分かったとしても俺は分からないんですけど。
何が『そゆことね。』なんだろう…
教えてくれる気は無いようで、スタスタと何の説明もなしに進まれる。
あ、コレ聞かないと教えてくれないやつだ。俺知ってる。
「何で国王閉じ込めるんですか?」
「敵が来てる。そろそろ城内侵入されるから。」
「えっ…」
という事はもう前線が崩れたって事…?
前線にはモモがいたのに…じゃあ、モモは…死ん、だってこと…?
いや、モモが担当してたのは南地区…だから別の地区の戦線が崩壊したのかもしれない。
あいつが死ぬわけない。だって約束したから。
必ず…生きて帰って来るって。
俺がモモのことを信じなくてどうする。俺はアイツの先輩だろ…
ピシャリ、と頬を叩いて気合いを入れる。
敵が来るのなら受けて立つのみ。
「ここ、見張っといて。私達シオンのこと閉じ込めるからさ。」
「御意」
階段の前に立ち、目を光らせる。
五感をフルに使って気配を察知する。まだ城内に侵入はされていないようだ。
後ろからジャラジャラ音がする。
どうやらゴットマザー様お手製の南京錠と魔法封じ石でできた鎖、佳奈様のバリアを部屋の扉に付けているようだ。
厳重だなぁ…これは出られないな国王。
…じゃあ国王を見るのはあれで最後だったのか。もう少し見ておけば良かったなぁ。
なんて。死ぬ前提みたいなこと言ったらダメだよな。生きないといけないんだから。
カツカツと音を鳴らしながら階段を下る。
見張るならもう少し下の階の方がいいだろうし…
…どこかで分かってたんだ。
この戦争で俺は死ぬんだって。
確かかの偉い人はこう言っていた。
『どれだけ強くても二倍の数には勝てない。』
と。
だから無理なのだ。諦めたくはないけれど今回の戦争で勝利を手にするのは。
俺、国王に出会えて良かったです。
国王に出会わなければ俺ずっと不幸せのまんまでした。
国王は俺に沢山のこと教えてくれて…
人を信じること、帰る場所がある嬉しさ、幸せ、人を育てることの大変さ、人といることがどれだけ楽しいか…
数え切れないくらい教わりました。
機械人間の俺を腫れ物みたいに扱わないでちゃんと《人間》として扱ってくれた…
嫌わないでちゃんとそばにいてくれた。
だから…
「…この命ある限り貴方様に従いましょう。」
ー国王陛下、仰せのままにー
国王陛下、仰せのままに
って言葉めっちゃ好きなんだけど
分かる人いる?




