葬式
青葉視点です
今回はがっつりシリアスです
「あっ、国王!どこ行って…」
城の正面玄関が開く。そこには先程まで探していた国王の姿と、抱き抱えられているのはレノ…?
「レノが…死んじゃった。」
俯いてボソボソと喋る。
表情が無い、いや消え去った国王の顔。
温度を乗せていない声。
レノが…死ん、だ?
「V国に捕らえられて拷問されて死んじゃった…」
「そんな…」
酷い。そんなの酷すぎる。
痛みに慣れていない一般市民を捕まえて情報を引き出そうだなんて…
レノはこの国の情報なんて何も知らないのに。
「…裏山の崖にお墓建ててあげるの。レノ、あそこ好きだったから。」
「分かりました…全員集めてきます。」
「佳奈は外交でいないから。」
「了解しました。」
ギュッとレノを抱きしめ直し、一足先に裏山の崖に向かう国王。
いつもは国を背負って堂々とした背中なのに今は触ったら崩れてしまいそうだ。
そんな国王を見送り、俺はゴットマザー様とモモを呼びに行く。
伝えた時、二人共驚いた顔をしていたが自分の目で確かめるまで信じないと裏山に早足で向かう。
「あ、揃った?じゃあ、始めよっか。」
嘘くさい笑顔を浮かべて振り返る国王。
その腕の中にはレノが眠っている。
「レ、ノ…」
「本当に…死んじゃったの…?」
二人は信じられないというふうに目を見開く。
「そうだよ。私のせいで…死んじゃった。」
「そんなっ…」
「…ッ」
ボロボロと目から涙を流すモモ。
ゴットマザー様は唇を噛み締めてそっぽを向く。肩を震わせているあたり、泣いているのだろう。
これ、本当はドッキリなんですよね…?
『ドッキリでしたー!』って言って起きるんでしょ?これ、悪質ないつものイタズラですよね…?
そう心の中でつぶやく。
いや、そうであって欲しい。
「レノ、今まで…ありがとう。私も…あなたに出会えてよかった。また会おうね。」
いつの間に用意したのだろう、向日葵の花、黄色のガーベラ、カンパニュラ、プルメリア、クローバーなどが敷き詰められた穴の中にレノを寝かせてお別れの言葉を言う。
「『炎よ、全てを焼き尽くせ。ファイアーボール』」
呪文を唱えて手の中に火の玉を作り出す。
ほら、早く起きないと燃やされちゃうよ?レノ、起きてよ…早く…
「安らかに眠れ。我が友よ…」
安らかに眠るレノに炎が放たれた。
…嘘じゃ、なかったんだ。本当に死んじゃったんだ。
頬に生暖かい液体が流れる。次から次へと落ちてくる。
止めようと思っても止まらない。
横ではモモが「ヤダヤダ…れのぉ…!」と喚きながら大泣きしていた。
ゴットマザー様は静かに目から涙を零して泣いていた。
…国王は燃え盛る炎をじっと見つめていた。
泣いた方が楽になれるのに。いっそ泣いてしまえば心が少し楽になるのに。
国王は泣かない。いや、泣けないのかもしれない。
空に黒煙が立ち昇る。
それに乗ってレノは天国へと旅立つ。
「皆…!」
しんみりとしたこの場所に慌てて駆け込んできたのは佳奈様。
「どうしたの佳奈…そんなに急いで…」
「っくそ…少し遅かったか…」
墓跡に掘られた文字を見て悔しそうに顔を歪める佳奈様。
遅かった?佳奈様はこのことを知ってたって事?
「紫音、悲しんでるところ悪いんだけど急いで各隊を配置に付かせて。」
「…なんで?」
切羽詰まった声で国王に告げる佳奈様。
なんで…?戦争の予定も無いし、侵入者だってこの間から全く来なくなったし…
「トラゲールが包囲される。しかも結構な大国に。」
「…えっ?」
佳奈様の口から出た言葉はこの場にいた全員を動かすのに十分だった。
花の意味
黄色のガーベラ…親しみやすい、優しさ
カンパニュラ…感謝
向日葵…あなたを幸せにする
プルメリア…日だまり
クローバー…これはトラゲールの国の花として入れました。意味は幸運、約束、復讐




