魔力の制御
佳奈視点です
「ぁ…ぁあ、師匠…」
どうして…?どうして私を逃したの?
一人にしないって言ったのに…ずっとずうっと一緒に居てくれるって約束したのに…
「嘘、つきっ…!」
ヤダヤダ…置いてかないで…死なないで…
私だけ生かそうとしないで…
『ふ、ふふっ…トラゲール月詠佳奈も雑魚だなぁ…こんなに人のことで取り乱すなんて。』
「っあ、んた…誰よ…」
何処からか放送で流れてくる声。
『これはこれは…申し遅れました。私はK国国王様の秘書、マリガン・レフィーユと申します。』
「…秘書が、私に…何か用?」
弱っているところを見られるのは嫌いなので強がる。
ここで隙を見せてはいけない。
『ふふっ、強がらなくてもいいのに。』
「強がって…なん、か…」
じわじわと目が熱くなる。
体内に流れる魔力が熱を帯びる。
いけない。魔力が制御できなくなってきた…感情に身を任せて使っちゃダメって師匠が教えてくれたのに…
『私…昔村を焼いたんですよ。貴方の魔女村を…ね?』
「…焼、いた…」
ぷつん、と私の中の“何か”が切れる。
必死に抑えていた魔力は感情のままに暴れだす。
ガシャンッ、と鈍い音を立てて手錠が床に落ちる。
そのまま立ち上がり、腕を一振りして部屋を破壊する。
『なっ…!魔法は使えないはずじゃ…』
「うるさい。」
耳障りな声を消す。
砂埃を立てて崩れる部屋を出て、城を見下ろす。
沢山の兵士が私を見上げて魔法やら弓やら鉄砲やらを放ってくる。
かすったりするが、痛くもかゆくもない。
ただただ鬱陶しい。
「邪魔。」
兵士に向かって魔法を放てば汚い断末魔と共に地面がえぐれる。
そこだけ焼け野原となる。
パチパチと炎が上がる。
目には目を。歯には歯を。やられたらやり返すのが《礼儀》ってやつだろう?
「お前ら!!怯むな!奴は一人だ!!!」
指揮官が叫ぶ。
お前らごときが私にかなうとでも?
バカな。無謀な挑戦なのに。
だんだん意識が遠のいていく。
完璧に感情が私を乗っ取る。
「し、しょう…」
ねぇ、師匠…今貴方は何処にいるの?
おはようございます。
電気眩しいよね。




