師匠
「ねぇ、師匠〜ここ教えて〜」
「いいよ、ほら見せてみなさい。」
「ん。」
真っ白な何も無い部屋で分厚い魔道書を持った小さな女の子とにこやかな笑顔を浮かべている老人。
女の子は無表情だが、なんとなく嬉しそうだ。
女の子はその人のことを師匠と呼んで慕っていた。自分を一から育て上げ、ここまで強くしてくれたのもこの人だ。
魔道者を開き、魔法を暗唱する。
すると、何もなかった空間にパチパチと火花が飛ぶ。
焦げ臭い匂いが空間に充満する。しゅわしゅわと火花が消える。
また静寂に包まれる。
「よくできました。」
「えへへ…」
ゴツゴツとした優しい手が女の子の頭をポンポンと撫でる。
嬉しそうに頬を緩め、得意げに笑う。
場面は変わり、大樹の中の小さな小屋に移る。
先程の老人が机とにらめっこをしている。
どうやら日記を書いているようだ。
『月詠家が襲われた。助けに向かったが親は助けられなかった。子供の佳奈しか助けられなかった。村会議で話し合った結果、私が育てることになった。月詠家の子として恥の無いように育てたい。』
…そばにあるゆりかごには小さな赤子がスヤスヤと寝息を立てて眠っていた。
またまた場面が変わり、大樹が炎に包まれる。
村からはポワポワとシャボン玉が四方八方に飛び散っている。
地獄のような光景にファンタジーなシャボン玉。
合わない二つが空に浮かぶ。
轟々と燃え盛る炎は燃やす手を緩めない。
大人たちが必死に水をかけるが鎮火する気配はない。
そのまま炎は村を包み込む。
大人たちの目には炎の赤と絶望の色が浮かんでいた。
叩いても叫んでもシャボン玉が破れる気配はない。
大樹に手を伸ばす。
あの中にはまだ師匠がいる。
一緒に死のうとしたのに…一緒に居たかったのに…!
どうして…どうして私だけ…
フワフワと一緒に浮かんでいた子供たちがだんだん居なくなる。
しばらく呆然としていると周りに誰も居なくなる。
荒れ果てた大地に足をつける。
師匠…なんで…私だけ…
強烈な睡魔に襲われる。
ここで眠ってしまっては『死』ぬだろう。
とりあえず私は目の前にあった崩れかけの教会に足を踏み入れた。
そこで運命的な出会いをするとは露知らずに…
佳奈の過去編でけたー!
いやぁ、結構書き直したりなんだりしてたら遅くなりました…しゅみません(´・ω・`)




