夜空の下で
青葉視点です
深々と降り積もる雪。白をちらつかせながら辺りを白く染め上げる。
ほぅ…と吐いた息はフワフワと白い空気に溶けて消える。
降り積もった雪の上に足跡をつけて歩く。
特に用があるわけでも無い。ただ歩く。
身を切る風は冷たく、思わず肩をすくめる。
「寒いなぁ…」
ポツリとこぼした言葉は白い息と共に上空へ舞う。
もう少し厚着してくれば良かったな、と遅すぎる後悔を胸にベンチへと腰掛けた。
することも無く、夜空を眺める。雪が顔に当たって冷たい。
どれくらいぼーっとしただろうか。かじかんで感覚がなくなる。
「あっつ?!」
突然頬に熱い何かが当たる。
急いで後ろを振り返ると、隙ありと言う顔をしてケラケラと笑う。
「紫音サンタからのプレゼントだぜ!」
「いや、クリスマス終わりましたけど?!」
「え〜…じゃあ〜お年玉?」
「正月も終わりました!」
まぁ、別にいいじゃん。と俺の頬にくっつけていたココアを放り投げてくる。
キャッチし、ありがたくいただく。無言で俺の隣に座ってココアを飲み始める国王。
かじかんで感覚が無かった指先がじんわりと暖かくなっていく。
「何してたの?」
「夜空を見てました。」
それ以外に特に会話はなく、ただココアを飲む。
チラチラと降り積もる雪は心身を冷やしていく。
「ねぇ、明るいフリはしなくていいんだよ?」
「…え?」
突然言われた言葉に理解が追いつかず、素っ頓狂な声が出る。
「辛かったらちゃんと言うんだよ?」
優しく、子供を見守るような瞳で俺を見つめる国王。
「え、どうしました?何か変なもの食べました?」
「酷いなぁ〜…私は至って真面目ですぅ!」
口をとんがらせ、プクッとフグみたいに頬を膨らませる国王。
「今回の件はあおのせいじゃないから。」
「……。」
今回の件とは…戦争中に俺の主力部隊がほぼ壊滅した件だ。
向こうの王様がヤケクソになったのだろう。腹にダイナマイトを巻いて、突っ込んできたのだ。
俺みたいに機械じゃないから皆死んでいった。
「佳奈の魔法部隊を向かわせるのもう少し早ければ良かったね…ごめんね。でも、最後の方一人で戦線保ったんでしょ?それだけでも凄いって!」
きっと国王は俺を励ましにきたんだろう。わざわざココアまで買って。
俺は平気なのに…笑い飛ばせば全然…
そう心に言い聞かせる。なのに…
「そんな事ないですよ…」
口から出たのは違う言葉で。いつもの元気な声ではなく絞り出したような掠れ声…
「あそこで俺が前に出て、皆を守ってやれば…逃がしてやればよかったんです。俺ならどれだけ喰らっても平気ですから…」
自分が今何を口走っていたかに気づき口をつぐむ。
慌てて国王に笑いかける。
「あはは…だから俺が全部悪いんです。」
気にしないでくださいwと冷めたココアをすする。冷めたココアはさっきみたいに冷えた指先を温めてはくれなかった。
「…そんな演技で私を騙せるとでも?」
「え…」
予想していなかった返事に思わず顔を上げる。
「あおはね、頑張りすぎなんだよ。もう限界、超えてるんでしょ?偉い、偉いよあお。凄いよ。よく頑張ったね。だから、少し休んだ方がいいよ。」
子供をあやすように、偉い偉いと頭を撫でてくる国王。その手をはねのけるわけにもいかず無言で撫でられておく。
「頑張り屋さんで、元気な青葉君はお休み。だから、無理に笑わなくてもいいんだよ?」
まるで全てを見透かしたように笑う国王。気付いたら思いっきり国王に抱きついていた。
国王の体温がその仕草がその声が…全てが俺の仮面をとる。
雪はやんでいて、空からお月様が覗いていた。
なんかシリアスが描きたくなった
ネタ下さい




