外交【2】
国王視点です
一時間半車で揺られて、目的地にやっと着く。
「あー!着いたぁあ!!」
グーンと伸びをして縮まりきった筋肉たちをほぐす。バキバキと変な音が鳴るがまぁ聞こえないフリ…
佳奈も伸びをしてため息をつく。先程より顔色が幾分か良い。
「では、俺はまた明日迎えにきますんで。」
「りょーかい。よろしくね〜」
「御意。」
佳奈と二人でX国に入り、宿泊先を決める。
宿泊先に荷物を置いて、外交用の服に着替える。
堅苦しくて嫌いだ。動き辛いし、何より息苦しい。腰あたりキツく締められて苦しい…普段の服がラフすぎるのか?
普通のより軽くはなっているのだが、ひらひらチラチラしてて嫌だ。色は綺麗なんだけどな…
佳奈は慣れた手つきでスイスイとスーツを着ていく。
「さて、そろそろ時間だから行こっか。」
「あーい…」
「プレゼント持った?」
「持った…」
「ドレス破かないでよ?」
「だーいじょおぶ大丈夫。」
「本当に?」
「本当本当。」
「…はいよ。じゃ、行くよー」
「…ん。」
淡い紫のドレスをはためかせて部屋を出る。髪の毛を整えながら城へ向かう。
そろそろ髪の毛揃えないとな〜…床につきそう。
「ようこそ!遠いところからよくいらしてくれましたね!さぁさぁ、こちらにどうぞ!」
「ありがとうございます。ゲーリュシュ国王陛下様。」
お姫様のようにドレスの裾をつまんで会釈する。
ゲーリュシュ国王陛下は油テカテカのおデブだ。こいつ嫌い。嘘の笑顔貼っつけて媚び売るから嫌い。
近寄らないで欲しい。このハゲ親父。
「では、こちらにお腰掛け下さい。」
「ありがとうございます。では、早速始めましょうか。」
「そうですね。では、こちらがこちら側の意見です。」
…こいつ調子乗ってるな。スパイ送り込んで気づいていないと思ってるな。
戦争が起きても作戦が筒抜けだって、安心しきってる。
その鼻っ面折ってやりたい。
「あ、そうだ!今回、プレゼント持ってきたんですよ。お受け取り下さい。」
「おお!有難い!美しい女性からプレゼントを貰えるなんて私は幸せ者ですねぇ…」
ニコニコと気持ち悪い笑顔を浮かべて私が手渡したプレゼントを開封する。
その中には…
「な、なんだこれは!」
青い顔をしてプレゼントを投げ出す国王陛下。
「どうかされましたか?お気に召しませんでしたか?」
「き、貴様ら…ふざけておるのか!!!」
転がった箱からは、原型のないXのスパイの肉片がぐちゅりと床に転がっていた。
テラテラと血が怪しげに光っていた。
「こ、これは…誰だ。」
「ゲーリュシュ国王陛下様がお送りになられたスパイの死体です。」
「き、貴様…!」
「ふふっ、舐めてもらっちゃ困りますよ。これは貴国への宣戦布告です。」
「こ、この…生きて返すと思うなよ!やれ!お前ら!!」
ゲーリュシュ国王陛下が叫ぶと、扉という扉から銃を構えた兵士が入ってくる。
つくづく舐められたものだ。
「こんなもので私達が死ぬかとお思いでいらっしゃられるのですか?」
「黙れ!!魔法封じ石入りの銃弾だ!少しでも動いてみろ…蜂の巣になるぞ!」
勝ち誇ったような笑顔で高笑いするゲーリュシュ国王陛下。いや、クソ野郎。
本当、気持ち悪い。
「…佳奈。」
「分かってる。」
二人で目を合わせて頷いた途端、周りの兵士がバタバタと倒れていく。
「なっ…?」
クソ野郎は目を見開いて異様な光景に驚いている。
まさか…あれで死ぬと本当に思ってたんだね。
隠し持っていたナイフをクソ野郎の首筋にあたる。
油たっぷりの肉は柔らかくて切りやすい。軽く押し当てただけなのに赤い血が首をつたる。
クソ野郎は魚のように口をパクパクさせ、脂汗をダラダラと流す。
「ここでは殺しませんよ。ゲーリュシュ国王陛下…。」
「ぁあ…あ…」
恐怖のあまりかすれた悲鳴をあげるゲーリュシュ国王陛下。
こいつに構ってる暇はない。早く帰って作戦を立てなければ…
「ではまた戦場でお会いしましょうゲーリュシュ国王陛下様…」
腰を抜かして尻餅をついて震えるクソ野郎を置いて私達は荷物を持ってあおの待つ国境へ向かった。
今回長くなりましたね。
私頑張った。




