月明り
青葉視点です
佳奈様に入っていいと入室を許可されたのは夕方ごろだった。
中に入ると酸素マスクをつけた国王がベッドの上で眠っていた。
「佳奈…お疲れ様。」
「ゴット…シオンは安静にしてれば一週間で治るかな?」
「そっか。分かった。」
そんな二人の会話に耳を傾けずただ国王の側に座る。
青白い顔色。さっきより整った息。じんわりと額に浮かぶ汗。
自分の心が弱いから国王はこうなっちゃったんだ。
自分が弱いから。自分で自分が制御出来ないから。
守るべき人すら守れないのか…
もう守られる側なのは嫌なんだ…
居たたまれなくなり部屋を出る。
外はもう真っ暗だ。
月明かりが俺を照らす。
基地の屋上で夜空を見上げる。
守ると誓った人を守れないなんて…
忠誠を誓い、一生を尽くす人なのに守れなかった。
俺は国王に守られていたんだ。
「先輩…」
「モモ…?」
名前を呼ばれる後ろを振り向くとそこには俺の部下、モモが心配そうな顔つきで立っていた。
何も言わずに俺の隣に腰掛ける。
「先輩、こくおーが目を覚ましたって。行ってきてあげないの?」
「…あの人のそばに行く資格が俺にはないんだ。ほっといてくれ…」
「…なんで?」
「守るって誓った人を守れなかったからだよ!もう守られるのは嫌なんだ…!もう、ほっといてくれ…」
思わず叫んでしまう。モモは怯えたような顔をして俺を見つめる。
「あ、ごめん…」
「うんん。違う。先輩はこくおーのこと守った。」
「へ?」
ガッチリと肩を掴まれ、目を強制的に合わせられる。モモの目の中には間抜け面をした俺がうつっている。
「先輩が間に合ってなかったらこくおー死んでた。でも、今生きてる。」
「……。」
「こくおー目が覚めたとか言ってた。『アイツは悪くない』って。」
「でも…」
「だから…!」
口を挟もうとしても力強い声に拒まれる。あまりの圧力に俺は口をつぐむ。
「先輩がこくおーを守れるように、私は先輩のこと守るから!」
ニィッと笑うモモ。
その笑顔が国王の笑顔と重なって視界がぼやける。
「…だから安心して背中は任せてね。」
そっと抱き寄せられる。その暖かさに、その優しさに俺は甘えた。
月は静かに俺たちを見守っていた。
節分だね!
すいません…遅くなりました。




