娘は転生者-百物語五話-1
次は私の番ですね。
私は美紀子。
5歳の娘が居ます。名前は百花。
娘は今日は夫に預けてきたんです。
今日はその娘についてお話します。
………それで、娘についてなんですけど。
10ヶ月前誕生日を迎えるまでは可愛らしい普通の女の子だったんです。
女の子らしくこましゃっくれた事言う可愛らしい女の子。
私はこの子を授かったとき本当に嬉しくて嬉しくて………。
でも、5才の誕生日の時に何か驚いたような顔をして倒れて以来変わってしまいました。
妙に悟った目をした色々な事に無感動の子になってしまったんです。
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「ママのご飯とってもおいしいね!」
百花が誕生日に作ったご馳走ご飯とハンバーグとポテトサラダとケーキを食べながら笑う。
笑顔が妙だった。
「そうだな、ママの作ったご飯はおいしいな」
娘の妙な感じに夫は気づいていないようだ。
倒れて病院に連れていって、次の日改めて誕生日のお祝いを家族でしていた。
だが、倒れてから私の娘はありとあらゆる事がおかしかった。
病院では異常なしと言われたけど絶対嘘だ。
まず、無邪気な顔全体で笑う笑顔じゃない。
控え目のどこか気を使ったような笑顔。
病院だってそうだ。お医者さんの聴診器が好きで、病院に行くとはしゃいでにこにこしていたのに昨日は大人しく診察を受けていた。
出かける時だって、好きな靴を履きたいといつも駄々をこねて長靴とかを履いてしまうものだ。なのに、昨日も今日も大人しく指示した靴をはいた。
「そう、百花ちゃんが喜んでくれてママ嬉しいわ」
「ふふっ、ママありがとう」
まただ。貼り付けたような笑顔。
ご飯も少しも食べこぼさず食べている。
箸もきちんと握れている。
私は違和感を悟られないように接するのに必死だった。
この子は誰?
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違和感は更に広がっていった。
「百花ちゃん、最近お友達とうまく馴染めないみたいですね。元気一杯遊べないみたいですし。ご家庭で何か変わったことはありましたか?」
幼稚園に呼び出され、個人面談をする。
担任の先生が私を気遣わしげな目で見た。
「この前家で倒れてから………ちょっと人に気を使う子になってしまって」
なんと言えばいいか分からなかった。
あれから、家族の団欒が足りないのかと色々工夫したが、何をとっても年相応の子ではなくなってしまった。
動物園や水族館に連れて行っても見慣れたもののような反応をしているし、遊園地は退屈なようだ。絵本も楽しそうには読まない。大好きだった歌も口ずさまなくなった。
ただ、笑顔で大人しく良い子だった。
隠してはいるが頻繁に退屈そうな顔をしている。
色々な病院に連れていったが正常と言われるだけだった。
そして、病院に連れていった事で私が子供に違和感を感じている事が分かったようで………更に貼り付けた笑顔が増えた。
「………とにかく、お子さんと一度じっくり向かい合ってみてください」
「はい」
担任の先生の態度は、まるで私が虐待でもしているかのようだった。
………子供が怖い。
何かがおかしい。
だけど、問題ときちんと向かい合わなくてはならないのかもしれない。
もしかしたら、百花は百花じゃないのかもしれない、という事に。




