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百物語・炎  作者: ひとみんみん


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読書の悪夢ー百物語9話(語り部王子-2)

さて、次は僕の番ですね。

さっきは食欲の話をしました。

次は毛色を変えて、知識欲もっとストレートに言うと読書欲の話をしましょう。


天国の図書館という話は知っていますか?

最近、学校で流行っている怪談なんですけど。


眠っている間に図書館の夢を見るんです。

それも気になっていた話の続きばかりが揃った図書館です。


どんな本が揃っているか。

未来に出版されるであろう人気作の続編が完結まで揃っている。

死んでしまった作家の新刊。

気になっている分野の何処にもない何よりもまとまった図鑑。

絶版で手に入らない本。

一般人では触れない、博物館等に収まっているはずの貴重な本。


無い本は無いそうです。


夢を見た人に聞いてみると、ありとあらゆる本や漫画、写真集やイラスト集などがあるそうです。


『そこの図書館にある本の内容は口にできないようになってるんだけどよ。ああ、もう気になってた続きがあんな展開になってるなんて。時間が足りないよ』と、夢を見始めた初期の人は言うのです。


ああ、言い遅れました。

天国の図書館は本好きほど招待されやすいそうです。


ふふ、そして更にね。

もっと酷いことに、死んだ作家に会えるそうです。


『憧れのあの人に握手してもらった。本で写真見たことあるから、すぐ分かったんだ。あなたのミステリーは最高ですって、トリックもあなた以上の人を見たことないって言ったら。言ったら、にっこり笑って「ありがとう。まだまだ書き続けるから読んでね」って』


それはもう本好きの友達は、もう目があの世に行ってましたね。

それからもうすぐに学校には来なくなりました。

まあ、友達はいっぱいいるから、一人くらい居なくなっても構いません。


ただ、友達だったから気になって家を訪ねました。

ふふ。

ふふふ。

家に行ったら友達の母親が出てきてね。


『あの子はもうずっと寝てます』


って言われました。


それから少し経って、その本好きの友達が睡眠薬の飲み過ぎで死んだ事が担任から告げられました。


ウチの学校。

この怪談でその友達の他に何人か睡眠薬の飲み過ぎで死にかけてます。


『本が読みたい。続きが読みたい』


って暴れるそうです。


漫画やネット小説好きも危ないらしいですよ。

何せ気になってる話は、全て本になって完結まで揃ってるらしいですから。


そうそう、好きなジャンルのお話も探すと読みきれないほどあるそうです。


天国の図書館、僕は本には興味ないけど、きっと好きな人には何重の意味でも天国なんでしょうね。


僕の話は終わりです。

次は誰かな。

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