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百物語・炎  作者: ひとみんみん


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11/16

司会者

 まだ話していない人は何人かいる。

 5話がようやく終わったところだし、途中から来る人もいるのだ。

 

 私、町田花子16歳は夏休みにこの百物語の集会に呼ばれた。

 報酬前払いと書いてある現金の封筒が入った書留と招待状と説明書。

 

 招待状には司会者として、と書いてあった。

 差出人はネットで検索したけれど、「百物語の会」という実在しない会社だった。

 

 本来ならお金はいつでも返せるように取っておいて、招待状は無視すると思う。

 だって怪しすぎるものね。

 

 だけど、私は参加した。


 ファンタジーに憧れていたからだ。

 幻想的な世界を見てみたいと思っていた。

 この目で魔法を見てみたい。幽霊を見てみたい。

 科学では解明できない何かを見たい。

 怪奇現象というのは現代に残されたファンタジーだ、と私は思っている。

 

 私は百物語の会の怪しさに引き寄せられるようにして参加した。

 もちろん、親には友達の家にお泊りだと言って。

 

 実際、会場に着いてみると簡単なお仕事をするだけだった。

 後から来る皆の招待状の半券を受け取り、名札を付けさせて円卓の椅子に座らせる。

 皆、良い人たちで、ごねたり高校生の私に対して好色な目を向けてくる人も居ない。

 紳士的淑女的な人たちばかりだ。

 一部いや皆結構個性的な人たちだけど。


 後は、ICレコーダーにて百物語の会を録音する。

 自分への手紙に書いてあった順番の通りに手振りで語り部に順番を割り振る。

 自分の声は入れないようにする。


 そして、聞いていればいい。


 皆のお話はどれも心躍るものだった。

 現代の怪奇ファンタジー。

 ICレコーダーのデーターは後で所定の所へアップするようにと書かれていた。

 きっと、私にこれを頼んだ誰かは大喜びだろう。

 私は自然に笑顔になっていた。

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