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ルナの初恋 2026  作者: MOKO773
第一章 まねく

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006 ルナの嘆き

2026年の現代っ子が肌身離さずに持ち歩いているものは何でしょう?


「携帯電話がない」


ルナは夜空を見上げながら、ぽつりと呟く。

召喚された今日は満月で、月明かりで部屋が照らされている。


「友達に連絡したい」


召喚時の制服は没収され、今は簡素な白い服。

メイクも落とし、年相応のあどけなさ。


月の巫女の館の一室に案内された後、入浴を済ませて後は寝るだけ。

月の神官ルシオの住む宮殿の敷地内に、月の巫女の館がこぢんまりとある。


暇だ。


暇すぎる。


暇すぎて溶けそうだ。


紀元前5年には携帯電話もテレビも無い。

この国には文字がないらしく、小説も漫画もない。

勉強をしなくていいのは万々歳だが、日本で慣れ親しんだ娯楽がない。


何よりもいつも喧嘩をする弟や、こうるさい母がいない。

父は寡黙だが、ルナの派手なギャルメイクや服装を見ると、顔をしかめていた。

日本での生活が、煩わしかった家族の日常も含めて恋しい。


ごろごろしながら窓から見える夜空をもう一度見る。

ここで見る星空は、星粒が落ちてきそうなほど、きらきらと宝石を散りばめたように輝いている。

中学生の時に観た林間学校の夜空よりも星が多い。手を伸ばせば、星に届きそうな錯覚に陥る。


空は同じなのに、今居る世界は全く違う。


うじうじして無い物ねだりをしても仕方がないので、ルナは明日、観光に行こうと決心した。

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