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002 月のピラミッド
「おや、まあ、戻ってきたのですか?」
息を切らす女子高生ルナを冷ややかに見下ろす偉そうな青年。
腰まである黒い艶やかな髪、褐色の肌。日本人ではない。
白い布を体に巻き付け、腰の紐で留めている。
額には青い石をあしらった飾り。
白い羽毛が散りばめられた金糸の布を肩に掛けている。
「ルシオ神官様!」
あ、追手に追いつかれてしまった。
落胆する女子高生ルナ。
「ご苦労」
月の神官ルシオが戦士たちを労う。
「それにしても、召喚してすぐに逃げては危ないですよ。月の巫女ルナ」
名前は合っているが、巫女ではない。ギャルだ。
月のピラミッドの高さ42m分の急な階段を駆け上がったせいで、息が上がったままだ。
ぜえぜえぜえと息を切らしながら、涼しい顔の神官を見上げる。
逃げたはずが、どうも元の場所にダッシュで戻ってきてしまったらしい。
召喚直後にここから逃げた時の記憶が全くない。
ルナは速攻で諦めた。
神官ルシオを見上げて、今一番欲しい物を乞う。
「飲み物、ください。お兄さん」




