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ルナの初恋 2026  作者: MOKO773
第一章 まねく

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12/22

012 疲れた時は美味しい食

太陽の神官レアンドロの宮殿は、彼の暑苦しいぐいぐい感から想像できない品の良い造り。


(へえ、赤い羽男、意外と落ち着きのある家に住んでるんだ。なかなか、いいじゃん)


ルナは太陽の宮殿を見渡す。

白い漆喰を基調とし、神殿のような華美な装飾は少ない。


中庭には噴水があり、噴水の中央には赤い薔薇が咲き乱れる。


外は灼熱だが、宮殿に入ると涼しい。今は乾季なので、心地の良いからっとした風がふく。

中庭を囲う回廊を通り抜け、奥の食堂にルナは運ばれた。

お姫様抱っこで。


「おろして」

「だめ」


レアンドロはしっかりとルナを抱きしめたままである。


「離してってば!赤い羽男」

「レアンドロ」

「赤い羽男」

「名前聞いてたのに、わざとそう呼ぶのはやめようか。やめないとキスするよ」

「れ、レアンドロさん、自分で歩きますので・・・・・・」

「だめ」


召使いが無語で近づき、レアンドロの装飾品を一つずつ丁寧に外す。

白い布一枚になったレアンドロは、そのままソファに座った。

ルナはレアンドロの膝の上に座る形となる。


「おろしてってばっ」


彼の腕の馬鹿力で思うように動けない。もどかしい。


「今日は餌付けをする」


真面目な顔で太陽の神官レアンドロがルナに向き合って言う。

そっぽを向くルナの顎を掴み、ゆっくりと自分に向ける。やっていることは強引だが、ルナに触れるときの手付きは優しい。


真剣なレアンドロの深い金色の目と、ルナの漆黒の目が合う。

ルナ、目を逸らす。

彼の視線が痛い。


そんな攻防をしている間に、次々と多国籍な料理が運ばれる。

食欲をそそる良い匂いがする。


「はい」

当たり前のように、サラダをルナの口に運ぶレアンドロ。


「どうぞ」


口をぎゅっとして顔を背けるルナ。自分で食べますの意思表示。


「ほら、召し上がれ」


(くうっ、食べたい)


「ほら、お腹がすいているんだろう?」


フレッシュなレタスっぽい葉っぱが、ルナの口の前で待機している。


ぱく。

「ほれ」

ぱくぱく。


「これは一押しの肉料理」


(柔らかくて優しい味。うまっ)


「スープはいかが?」

レアンドロが、こぼさないようにそっとスープをルナの口に運ぶ。


「さっき食べたがっていた、魚貝のピラフ」


ルナ、ぱくぱくが止まらない。


透明なスープには、四角くカットされた野菜や鶏肉が浮かぶ。小さな具は食べやすい。

(お、素麺みたいな麺が)

この黄色い粒はとうもろこし。

大好きなアボカドもある。

いい塩味。体に染みる。


気がついたら、月の巫女ルナは目の前に次々と現れる食に、無心に食いついていた。

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