↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ルナの初恋 2026  作者: MOKO773
第一章 まねく

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/22

010 わがままな巫女

「それ、下げてちょうだい」


赤い石を散りばめた神具を持つ女性は、側付きの女官に横柄に命ずる。

彼女は、胸元が大きく開いた白い衣に身を包み、赤と金糸の刺繍の入った帯を腰に巻く。両手首には金の腕輪が数本、耳にはルビーと赤い羽毛のピアスが揺れる。

顔はあどけないが、真っ赤な口紅と濃い化粧が彼女を実年齢より上に見せる。


女官は、太陽の巫女が殆ど手をつけていない食事を下げる。

彼女はいつも食べられない量を求め、必ず食事を残す。

魚貝のピラフ、白身魚のマリネ、ヒラメの姿上げ、彩り豊かな果物など、10人分はあるご馳走。


「うわあ、もったいない」


太陽の神官レアンドロにお姫様抱っこされたルナが、食べ物の匂いで目を覚まし、女官達がしずしずと下げるご馳走を目で追いながら呟く。


(じゅるるっ)


よだれと共に、また心の声が口から漏れてしまった。

まずいと思って、ちらっと派手な赤い彼女を見ると、じろりと睨まれた。

お、ガン飛ばしか?

ルナ、ギャルっぽく、ガン飛ばし返しをしてみる。


レアンドロの腕の中から、太陽の巫女に喧嘩を売る月の巫女。

説得力がない。


静かにしていたレアンドロは、月の巫女ルナをそっと床に下ろした。


「失礼」


レアンドロの声と同時に、ルナに被せられていた白いスカーフが外される。


視界が明るくなる。眩しい。ルナは目を細める。

神殿を通り抜ける風がルナの頬を優しく撫でる。

月の神殿と同じ作りの太陽の神殿は、装飾が朱色で施されている。白いレースカーテンのような布が、風でふわふわと舞う。

月の神殿よりも高い位置にある太陽の神殿からの景色は圧巻。

ああ、やはりここは違う世界なのだとルナは溜息をつく。


太陽の巫女はじろじろとルナの顔を見る。

そして、「ふん」と鼻で笑った。


「まだ子供じゃない」


(どうみても、同じ年頃じゃない?私たち)

と、ルナは思う。


「まあまあ、まあまあそんなに歪み合わずに仲良く。二人ともお友達になったら?」

両手を挙げて仲裁する太陽の神官レアンドロ。終始、にこにこしている。


「何を言っているの。なんで、友達にならなきゃいけないの!」


太陽の巫女がレアンドロをじろりと見る。

ルナも太陽の巫女と同意見で、彼の顔を見上げる。


「高貴な私がどうして、こんなどこから来たかも分からない者とーーー」


「まあまあ、いいじゃない。じゃ、月の巫女の顔見せはもう宜しいでしょうか。太陽の巫女様」


太陽の巫女の言葉を、レアンドロが遮り、手を胸に当て姿勢を正す。

嘘っぽい丁寧な動作である。


「よろしくない!!」


太陽の巫女が癇癪を起こす。先ほどから何を怒っているのか、ルナには分からない。


レアンドロの手がルナの肩にかかる。ぐっと引き寄せる。

「!!!」

太陽の巫女が驚いて、ぷるぷると震えだす。

驚いて怒りたいのはルナなのに、太陽の巫女の顔が真っ赤になり、きーーーとなった。


ルナはもうどうでもよくなり、ただただ空腹を堪えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。