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アタシが考えた最高の配列 〜推しのフィギュアが動き出したんですが、解釈違いなのでやめてください〜  作者: 藤紫


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4/5

4話目『疑念』

おかえりなさい



とりあえず、汚れた床を拭き、その場で服を脱いでユニットバスへ向かう。パジャマに着替えた記憶すらない。温まるまで時間のかかるうちのシャワーも、二日酔いの頭痛には敵わないらしい。お湯に変わっても、ズキンズキンと頭の中で心臓が脈打っていた。


今日は家から出るつもりはない。昨日着なかったパジャマに着替え、部屋に戻り、あらためて、フィギュア達を見る。


フィギュア達が滲んでる?


…違った、涙で歪んで見えるんだ。


あらためて、”みんな”を見る。


アタシは涙を拭くこともせず、みんなの方へ歩いていく。そこで視線を、みんなから、みんなが見てるネズミ捕りに向けた。


ネズミ捕りは




…空っぽだった。




なんだか、



『アタシの心とおんなじだなぁ』



なんて、言葉が頭に浮かんだ。なんでだろう。みんなと一緒に過ごす土曜日なのに。心が空っぽになるはずなかったのに。流れる涙の分、心に隙間ができていくような気がした。



「…」



「…イヤだ。」


「イヤだ。ダメだ。イヤだ。」



アタシは頭を横に振った。ひどい頭痛が襲ってくる。頭の奥を無理やりこじ開けようとしたせいか、RC細胞が暴れ出したグールのように激痛が走る。人間の食べ物を口にした際の拒絶反応にも似て、胃の中のものが遡ってきそうになる。


アタシは手荒く、みんなをつかみ上げる。そして最高のはずの配列に並べ直していく。


うまくいかない。焦るな、アタシ。頭の中には何の疑いも持たなかった頃の、秩序が詰まっているじゃないか。



うたがい……?


何を言っているんだ、アタシ。あの配列は最高のはずだ。最高でなければいけないのだ。コレは、公式設定からも外れていない。にわかオタクが語る薄っぺらい解釈なんかじゃない。


最高の配列なんだ。


最高の配列なんだ。


最高の配列なんだ。


だから。


だから動くな。




頼むから。






みんなが元の位置に戻った。正しいはずの位置、向き、距離……。


疲れも、二日酔いも、寝不足も、みんな並んで襲ってくる。

でも寝室にはいけない。

怖い。

目を離すのが怖い。みんなから離れられない。


アタシはソファーに深く座り、みんなの方を見る。視界が次第にぼんやりとしてくる。


霞む思考のなかで、アタシの声で誰かが呟く。


その解釈が本当に最適解?



その配置が本当に最高?




その思いは本当にホンモノ?


.


もう、何も考えられなくなった…





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