表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】愛する夫にもう一つの家庭があったことを知ったのは、結婚して10年目のことでした  作者: 春乃りぜ(ましゅぺちーの)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
93/110

93 自覚

(ほ、本当に届いた……!)



あっという間に時が過ぎ、晩餐会の前日になった。

今、私の目の前にあるのは丁寧にラッピングされた箱だ。

中には彼が選んでくれたのであろうドレスやアクセサリーが入っている。



(ルークが私のために選んでくれるだなんて……)



正直に言うと、ルークに誘いを受けたあの日から緊張してしまって眠れない日々が続いた。

こんな気持ちは久しぶりだ。

十年前、オリバー様と結婚する数日前のときと全く同じ状況である。



(どうしよう……私、多分ルークのこと好きなんだわ……)



今になってようやく気付いた。

私はおそらく彼のことが好きなのだ。



オリバー様と結婚して、私は地獄のような十年間を送ることになった。

初恋の人は決して私を愛してくれなくて、何度も心が死にかけた。

もう一つの家庭が存在していることを知ったとき、私はようやく彼への恋心を捨てた。

そしてそれと同時にあることを心に決めた。



二度と誰かを愛したりしないと。

最愛の人と結婚すれば幸せになれるかと思ったが、一方的な恋はただ辛いだけだった。

二度と恋はしない、結婚もしない、と固く誓った。



しかし、ルークとの出会いで全てが変わった。

私を助けてくれたのはいつだって彼だった。



家族以外の男性に優しくされたのも、親しくなったのも初めてで。

人の部屋に勝手に入るし、無愛想で生意気なヤツだったけど……彼といると本当に楽しかった。

このタイミングに自覚するだなんて予想外のことだったが。



(でも好きだって分かったのはいいけど……それなら私はどうすればいいんだろう?)



オリバー様とは結婚することが決まっていたし、良い夫婦になれると信じて疑わなかったから特に何もしなかった。

だけど、今回は違う。



(それに、ルークが私のことを好いてくれてるとも限らないし……)



最近の彼の行動を見ると、ついつい勘違いしてしまいそうになる自分がいる。

そんな風に期待したところで後々辛くなるだけだということを誰よりも知っているはずなのに。



(いけないいけない……私ったら何を考えて……)



――しっかりしないと。

慌てて首を振ったそのとき、ふいに以前お兄様が口にした言葉が頭に浮かんだ。





『分かっているのか?元王族だったとはいえ、今はただの旅人だ。お前とは身分が違う』



『旅人なら、いつかはこの国を出て行くだろう。そうなったらお前はどうするつもりだ?』





「……」



現実は厳しいものだった。

お兄様の言っていたことは全て正論で、伯爵令嬢である私が彼とこの先ずっと一緒にいられるはずが無かった。



(私もそろそろ自分の将来について決めないといけないわね……)



私はそこで考えるのをやめて、明日に備えるためベッドに入った。




読んでくださってありがとうございます!


ブクマ、いいね、評価などしていただけたら励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ