↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/221

第71話 脱衣

D01-67



 今、オレは湯殿の手前、更衣室のようなところにいる。

 ヤズナと沙耶さんも一緒だ。

 特にお咎めも無かったので、そのまま付いて来た感じだな。


 二人とも羞恥心が薄いのか、豪快に着物を脱いでいる。

 それで判明したのだが、二人とも下着を身に着けていないようだ。


 こういうのを見ると、あれだな。

 御輿の上での、針の(むしろ)の一時間は何だったのか、と思うな。

 腕を組み、胡坐をかいたままのオレは、黙秘権を行使して、貝のように口を閉じた。

 さらに途中で寝落ちしたふりまでして、沙耶さんの追及をかわしたのだが、

 普通に


「今、下着履いて無いの? 」


 とか、頭が湧いているようなことを訊いても、教えてくれていたのかもしれないな。


 ところでヤズナだが、後ろから見た感じ、お尻の下の股間の隙間に、ブラブラした物は見当たらないんだよな。

 身体と脱衣棚の隙間から覗こうとしても、大事な部分が陰になっていて、はっきりとは判らない。


 そこで沙耶さんから


「なにをモタモタしているの、さっさとしなさい」


 とのお叱りを受けた。

 実は気付かれていないのではないか? 

 と冷や冷やしていたのだが、沙耶さんに認識されていることが解り、ホッとした。


 とはいえ、もう一つ、脱衣を躊躇する理由があった。

 実は身体の一部が言うことを聞かなくなっていて、非常に恥ずかしいのだ。


 まあ、堂々と脱いでいる二人を前に、屈んだり、もじもじしたりする方が恥ずかしいので、覚悟を決めて脱ぐとしますか(克己心は使わないことにした。今使ってもすぐに言うことを聞かなくなると予測できるからな。それでは精神へのダメージばかりが積み重なってしまう)。

 着物に手をかけると、


 バン


 と音がして、両開きの木製の引き戸が、限界まで開かれた。

 シルコワが入ってきたようだ。


「なにをしているのですか、あなたたちは」


 えらい剣幕だ。

 ヤズナが代表して声をかける。


「湯殿に入るところです、シルコワも入りますか? 」

「そうではありません」

-「良いですか、ヤズナ様、沙耶殿? 」


 二人がきょとんとした顔でシルコワを見る。


「未だ結ばれていない男女が、湯殿に一緒に入ってはいけません」


 ヤズナが腕を組んで反論する。


「しかし、シルコワ、男たちの視線を気にしていたら、生活できないではないですか」

「それは戦場での話でしょう? 」

-「そのような特殊な状況を基準に考えないで下さい」

-「沙耶殿、沙耶殿はこの状況に疑問を感じなかったのですか? 」

「うーん、郷に入りては郷に従え、と言うし、こっちでは下着も身に着けないでしょ? 」

-「そういうものなのかな、と思っていたわ」


「殿方に裸を見られて、恥ずかしいとは思わないのですか? 」

「それは、幼い頃からの環境のせいかな、大勢の人に裸でいるところを見られる状況って結構あったから…」

「沙耶殿、…その他大勢と、気になる殿方との視線は、区別しなければいけませんよ」


 シルコワがこちらを向いた。


 ビクッ


「お気持ちは解りますが、主様、湯殿に入るのは時間をずらして下さいませ、私もお付き合いいたしますので」


 ガシッとオレの手首を掴み、脱衣所から出ようとするシルコワ。


「シルコワは良いのかよ…」

「私のことは端女(はしため)とお思い下さいませ」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。