第63話 ダンジョン周辺情報
ようやくこの世界の根幹をなす説明ができました。
D01-59
「まず、この大陸の名前ですが…」
「たしかアントロファルド大陸だったはず」
「いえ、違います、というかそんな名前の大陸だったのですね」
-「今、この大陸はエオリア大陸と呼ばれています」
-「この名は1000年以上前から呼ばれているものです」
「エオリア? 」
「はい、お気付きかも知れませんが、エオリア大陸を統治している国をエオリア王国と言います」
「大陸統一国家ということ? 」
「その通りです、それも1000年以上前からです」
「それは、すごいな、今の王様はどんな人なの? 」
「今の、と言いますか…、王はただ一人、エオリア王国を建国した王が、そのまま現在も王国を統治しています」
「なんかやばそうな国だな」
「その認識、大事です、忘れないでください」
「実際どんな風に統治しているの、宗教国家? 」
「いえ、勇者の血を引く400人の騎士が武力で統治する国だとされています」
「400人? 」
-「思ったより規模が小さいのかな」
「いえ、そんなことはありません」
-「大陸の総人口は2億人から3億人くらいだと言われています」
-「また、エオリア王国の持つ兵力は400万~600万くらいだろうと予測されます」
「まあ、とんでもなくデカい国なのは解った、この国に睨まれたらヤバイということだよな? 」
「はい、そのとおりです」
「で、ここはどこら辺なんだ、近くに重要な施設でもあるのか? 」
「ここは外辺境第31区画・ガーシアル遺構森林群、まあ、外れですね」
-「手長猩猩の里はエオリア王国第61自治領・幻夢森林オルトエルヴィスと言う場所にあり、ガーシアル遺構森林群に囲まれています」
-「狂った騎士が来た場合に注目されるくらいですが、それほど頻繁に起こることではありません」
「当面は大丈夫ってことか? 」
「おそらく…、としか言いようがありません」
-「この国は広いですからね、王の領域がそれだけ失われたといっても、指摘されなければ判らないと思います」
「……うん、王の領域? 」
「あ、知りませんでしたか、王や領主は自国や自領の全てを広く浅い領域で覆っているのです」
-「広い分、効力はそれほど期待できませんが、領域の一部が失われたり、敵対勢力が領域内に入ってきたりすれば判ります」
-「密偵くらいなら判らないかもしれませんが、もっと規模の大きい、他国の軍勢とかなら判るはずです」
「へー、結構便利なんだね」
-「…そもそも領域ってなんなの? 」
「そこからですか」
シルコワがチラッとヤズナを見る。
「申し訳ございません、ご主人様、この世界では当たり前すぎて説明し忘れておりました」
-「この世界では、生きとし生けるもの全てが領域を持っているのです」
-「虫も動物も植物も人間も亜人も魔物も竜も神々も全てがです」
-「例えば虫が、他と比べて動きが速いのは、加速の領域を持つからです」
エオリア王国の王には仮想敵がおり、今でも着々と戦力を増強し続けています。




