↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/221

第38話 葛藤

D01-35



 オレはおもむろにヤズナのボリュームゾーンに手を伸ばす。

 だが、オレには、ヤズナに対して一歩踏み込めない理由があった。

 もちろん、今までこんな機会がそうそう巡ってこなかったのもそうなのだが……。


 …………

 ………

 ……


 ……つまりは付いているか、付いていないかだ。

 あの時、ヤズナを召喚する時、一度は付いていることを許容したオレだが……、

 …やはり、気になるものは気になる。


 ヤズナの名は女性寄りだが中性的とも言えるし、

 女神とかではなく、魔神では男か女かわからんしね。

 もちろん、胸があるから男ということは無いだろう、…無いと思いたい。


 だが、なぜか知らんが、ヤズナはオレに好意を抱いてくれているみたいだしな。

 実際に関係が進んだとして、当たり前のように見慣れた物を(さら)け出されたりしたら、オレはどうするのだろうと、ついつい考えてしまう。


 そこで気持ちが冷めてしまうのか、物理的に萎えてしまうのか。

 ヤズナを傷つけたくないという気持ちはある。

 だが、オレもこういう経験があるわけではない。

 EDの人だってなりたくてなっているわけじゃないはずだ。

 実際、現場に立ってみないと、どうなるのかわからない。


 オレが心の中で葛藤していると、何時の間にか目を閉じていたヤズナが、目を開け、オレに告げてくる。


「いけません、沙耶が近づいてきているようです」

-「ワタクシは身だしなみを整えてきますので、時間を稼いでくれませんか? 」

「あ、ああ、わかったよ…」


 ヤズナはサッとオレの背後の茂みへと入っていった。


「ボーナスタイムは終わりか…」


 オレは右手と左手の手のひらを交互に見て、指をわきわきとさせる。

 いまだ両手のひらには感触が残っていた。

 やわらかかった。

 ヤズナの熱が伝わってきて暖かかった。

 それに、なんと、ヤズナは直に触らせてくれたのだ。

 だが、オレは今考えなくても良い、くだらない事を考えて気を逸らしてしまっていた。


 おっぱいに全力投球できなかったのだ。


 オレは両手を白くなるほど、きつく握りこむ。

 手のひらに触れた感触はある。


 ……だがせめて突起には…、

 …………別のアプローチをするべきだった…。

 今なら幾らでも思いつくのに…。


 もっと集中していれば、赤子に、いや、乳呑み児になるという最高の結果も出せていたかもしれないのに…。


 ポタッポタッと握り締めた両の拳に水滴が落ちる。

 雨か……、いや。

 天を仰ぐまでもなく、雨などではなかった。

 目頭が熱くなっていた。

 頬をつたう過程で熱い液体が熱を失う。

 オレは泣いていた。

 身も世もなく泣いていた。

 許されるならば声を上げて泣き叫びたい…、だがっ。


「ダ、ダメだ」

-「もうすぐ沙耶さんが来るんだ」

-「この涙をどうにかしないと……」


 袖口で拭いて、どうにかなるような量ではない。

 こうなったら、…いちかばちか。

 オレは爪の痕で血が滲んだ右手のひらを目頭に当てた。




マジ泣きする刈谷君

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。