第29話 眷属契約・1
D01-29
(ヤズナ、ヤズナ、眷族契約とはどうやってするんだ? )
オレは強くヤズナに念じた。
「こっそり訊かなくてもお教えしますよ」
ー「それより眷族契約がどういったものかご説明いたします」
ヤズナが口頭で話し始める。
「そ、そうだな、分かった、お願いするよ」
バツが悪いな、少し恥ずかしい
「眷族契約とは経路を持つ主従契約のようなものです」
「オレとヤズナみたいな関係か? 」
「もう少し強制力が強いですね」
ー「ワタクシの場合は主の命令より、主の生命を優先させることもありますから」
-「眷族契約の場合、主の命令に逆らえない、というより主の命令に逆らう気が起きなくなります」
「それは、…なんかこわいな」
「実際にはもう少し複雑ですけどね」
ー「経路で繋がっていますから、主がどのような感情で命じてきたかが解ります」
-「軽い気持ちで命じられたなら、気を散らせて命令を無かったことにしたり、言葉を尽くして撤回させたりもできます」
-「間違った知識から命じられたものなら、正しい知識を展開して撤回してもらうこともあります」
-「また、道理をわきまえた、真心のこもった命令であっても、それが心底嫌な命令ならば、駄々をこねて撤回してもらうことも可能です」
「おい、最後のなんだよ、自由だな、眷族契約」
「といっても、命令の撤回は、心の技術と強い意志を持ち、回りくどく迂遠な作業を厭わないから出来ることで、命令に従った方が遥かに楽ですけどね」
「けっこう面倒なんだな」




