第17話 手長猩猩
D01-17
そういえばヤズナに例のトゲトゲ、
鬼岩の大猪をインベントリに入れとけと言われていたな。
オレは鬼岩の大猪に近づく。
-ご主人様、鬼岩の大猪を入れるのは少し待ってください、鬼岩の大猪を狙う者たちがいるようです-、
オレは耳を澄ませた。
…………、
……うん、わからん、
あとはヤズナに任せよう。
オレはヤズナに強く念じる。
(オレたちはどうしたらいいんだ? )
聞こえたかな?
聞こえていなかったなら鬼岩の大猪の陰にでも隠れていよう。
-大丈夫です、聞こえていましたよ、そうですね、さっきの大木の洞に隠れてください、その方が護りやすい-
解った、そうと決まれば……、
あれ、沙耶さんは?
オレは辺りを見回す。
あーっあんな所に、
沙耶さんは鬼岩の大猪の口の方に回りこんで口の中を覗いているようだ。
けっこう離れているぞ、
大木の洞とオレの延長線上1:2の距離に沙耶さんがいる。
-ご主人様、急いでください、敵が近づいてきます-、
ヤズナは少し離れた場所で作業している、
何かを拾い集めたり、破砕音が聞こえてきたりしている。
オレは急いで沙耶さんの側に行き、彼女の手を掴む、
「沙耶さんこっちだ」
「あ」
オレは大木の洞へと急ぎつつ、
やべっ、つい下の名前で呼んじまった、
苗字の方が良かったか……?
などと考えていた。




