第16話 鬼岩の大猪
D01-16
「でけぇ」
オレはトゲトゲの岩の塊の側に座り込み呆然とそれを眺める。
かたち的には猪か?
「鬼岩の大猪という魔獣です」
-「肉は筋張って硬いです、特殊な技法を使用しなければ肉を柔らかくすることはできません」
……食用には適してないってことか。
「ご主人様、インベントリに入れておいて貰えませんか、外皮は硬く防具の素材として使えますし、貴重な部位もあります。肉も柔らかくすることさえできれば、とても美味しいですしね」
-「それより会得したDPを見てください」
いや、それよりも、もっと前のログが気になる。
Lv38、体格値68(これは成人男性を1とした場合の値で結構アバウト)の
鬼岩の大猪HP291,8400が一撃で倒されているんだが。
あのチョップで、
あのチョップで304,9892ものダメージを叩き出しているんだがっ。
「どこを見ているのですか、ご主人様? 」
「あー……、ヤズナってスゴクツヨインダネ」
「あんなもの、お二人も強化されれば、すぐに出来るようになります」
-「それよりもご主人様、もっと下の方を注視していただきたい」
オレはヤズナの顔のすぐ下を見る。
うん、何度見ても大きいな。
そういえばおあずけをくらってしまっていたな、
あの言葉はまだ有効だろうか……。
ヤズナから呆れた感情が流れてくる。
-ご主人様、お望みなら後で幾らでも触らせてあげますので、今はこちらに集中してください-、
しまった、感情がだだ漏れだったか、
今の言葉、沙耶さんに聞かれるとまずいぞ、
沙耶さんの方を見るがそ知らぬ顔で鬼岩の大猪に注視している。
あれ? 今の、聞こえなかったのか?
-ご主人様、経路で繋がれている者同士は、意志を伝え合うことができるのです。少し技術を必要としますが-、
そうだったのか、ホッ、首の皮一枚で繋がったようだな。
そうだ、なんの話だったかな…。
「ご主人様、獲得DPをご覧ください」
焦れたようにヤズナが声を出す。
「ああ、気を散らして悪かったな」
-「おお、DPが6080も入っているじゃないか」
-「ならこれでもう目的達成か? 」
-「ではダンジョンに戻るとするか…」
「待ってください」
-「DPは稼げる時に稼ぐと言ったはずです」
-「まだまだ行きますよ」
-「そうですね」
-「あとは、今回は偶々出会いがしらにそれなりの獲物を手に入れましたが、次からはそう上手くいくとは思わないでください」
鬼岩の大猪の諸々の数値を変更しました。物語に影響はありません。




