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第14話 大木の洞・1

D01-14



 心霊治療を受けたオレは意気揚々とヤズナの後を付いて行く。

 遠くから樹木が軋み、倒れる音が聞こえる。

 音はどんどん近づいてくる。


「来たようです」

-「お二人はここに隠れてください」


 ヤズナが大木の洞を示し、その場を去った。

 え? 

 こんな狭いところに沙耶さんと……? 

 やべぇ、嫌な予感しかしねぇ……。

 背後からの視線を感じて振り返る。

 沙耶さんがいた。

 まあ、いるよな。

 オレは愛想笑いを浮かべて身体を開き、

 大木の洞に気をつけの手で、右掌を見せる。

 お先にどうぞ、のポーズだ。


 沙耶さんは無言で洞の中に入っていった。

 さて、どうしようかな、

 こういう緊張感、苦手なんだよ。

 逃げちゃおっかなー。


 そっと洞の中を覗くと

 体育座りをした沙耶さんと目が合った。

 こちらに顔を向け、オレを睨んでいる。

 ……かのように見える。

 彼女は洞の左寄りに座っており、

 きっちり1人分の空間が開いている。

 うっ、これは入るしか道はなさそうだ。

 オレは大木の根につまずきながらも洞に入る。

 そして方向転換し、洞の入口の方へ顔を向けてしゃがみ込む。


「イタッ」

「ゴ、ゴメン」


 これが三度目の、沙耶さんとの会話らしい会話だった。


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