第11話 ダンジョンルームにて・10
D01-11
「なあ、ダンジョンコアを動かすってどうやるんだ? 」
「その情報はすでに頭の中に入っているはずですが……、まあ、いいでしょう」
-「まずはそのままでは大きすぎますからね、持ち運びしやすいように小さくしてください、念じれば小さくなるはずです」
うし、ちいさくなぁれっと、
するとダンジョンコアが徐々に小さくなってゆく。
最終的にはバスケットボールくらいの大きさにまでなった。
「これ以上は小さくならないようだな」
「それからインベントリ……」
よぅし、インベントリに入れるんだな。
はいれぇ~、はいれぇ~、
オレが念じているにもかかわらず、
ダンジョンコアはうんともすんともしない。
「……には、入りませんが、不可視化できますので、見えないようになるように念じてください」
「まぎらわしいよっ」
思わず叫んだ。
気を取り直して念じる。
ぎえろぉ~、ぎえろぉ~、
変な気合が入る。
ダンジョンコアは徐々に透けていき、完全に見えなくなった。
ふと疑問に思ったオレは、ヤズナに質問する。
「なあ、見えなくする必要ってあるのか? 」
ヤズナが息を吐く、
え? 溜息?
「……解っていると思いますが、ダンジョンコアはダンジョンマスターにとっての生命線です」
-「ダンジョンコアが壊れると、ダンジョンマスターは死にますから」
-「ですから不可視化は用心のためです」
-「どこにあるか判らなければ壊される心配も半減しますからね…」
そうでした。
いやぁ、コロッと忘れてたわぁ~。
……でも、だとすると、
インベントリに入れられないのは危険だな、
どんな偶然が重なって壊されるか判ったもんじゃないからな。
用心しないと……。
「なあ、ヤズナ」
「どうなさいましたか、ダンジョンマスター? 」
「そのダンジョンマスターって呼ぶのはやめてくれないか? 」
-「なんだか他人行儀じゃないか」
「そうですね、ではご主人様とお呼びしましょう」
おほっ、
いやいや
「あのー、名前で呼んでくれれば」
いいから……、
と続けようとしたが、
「なんと、ダンジョンマスターを名前で呼ぶなど恐れ多い、是非、ご主人様と呼ばせてくださいっ」
ヤズナは解っている、とでもいうように、ニッコリと笑ってオレに言う。
うおおぉぉっ、沙耶さんの冷たい視線が突き刺さる。
「私は名前でいいわ、呼び捨てでいいから」
「では沙耶と呼ばせていただきます」
ヤズナの奴、沙耶さんをいきなり呼び捨てとか強心臓だな、
オレには真似できないわ。




