115.
「っクシュン…………」
「ちょっとーー、大丈夫なの。こんなところで風邪ひいたら大変なことになるんだからね」
「大丈夫だよ。風邪なんてひかないし、ひいたとしても遊びつくしてからひくから」
「っておい!」
イルカが水面に着水するところまでは良かった
その衝撃で大量の水しぶきが上がり、大きな水の塊が私の頭上に襲いかかってきたのがいけなかった
イルカのジャンプに夢中になっていた私はその水をもろに食らってしまい、今に至るのである
白崎さんから上着を貸してもらっているので少しは暖かい感じはするが、濡れている服を着ているのはとてつもなく気持ち悪い
けど濡れたのも上の服だけだし、1時間も我慢したら自然乾燥で乾くか乾かないかぐらいだ
その間だけでも白崎さんの匂いがほんわり香るこの上着を…………って変態か、私は!!
それにしてもなんで私だけなのか知りたい
隣に座っていた海音ちゃんは水が飛んできた途端に即座に逃げて一滴も濡れてないし、他のお客さんも少しかかったぐらいで終わっていた
だから前の席じゃなくて後ろの席のほうが人気だったんだなとは思ったが後の祭りである
教えてくれても良かったのにとは思うけど、あんなに間近でイルカを見れたんだから別にいっかなとは思う
「あかりたちは先にレストランに行っててくれ。俺たちはあとで行くから」
「オッケー、イルカでも見ながらの~んびりと待ってるよ。ゆっくり選んでき~~」
「そうですね、イルカが泳ぎまわってるところとかじっくり見ときたいし…………ってなんで白崎さんは私の手を掴んでるんですか?」
「いや、お前があっちに行ったら意味がないだろ」
そう言って白崎さんはそのままの状態で私をお土産売り場まで連れていった
そう、手を繋いだままである
私が意識しすぎているだけなのかもしれないが、男の人と手をつなぐこと自体が久しぶりだったのでものすごく緊張した
そりゃあ小学校のころとかは男の子と普通に手をつないでたし、一緒に遊んだりもしていた
けど思春期まっさかりの私にとっては少々キツいものがあったりなかったりするのですよ!!




