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「って、なんなんですかこれ!?どこを向いてもお魚がいますよ!!?」
お魚は水槽の中に閉じ込められていてかわいそう、そう思っていたのにここを見たら全然そうとは感じられなかった
観覧車で全面ガラス張りのところがあったりするだろう、それと同じようにガラスを使ってトンネルを作ってしまっているわけである
だから亀が私たちの頭上を通れば普段は見れないお腹の部分が丸見えになるし、サメが私たちの下を通れば水呼吸するためのエラがはっきりと見える
さっき白崎さんに海の底に沈んでいるみたいだ、って言われたのは私たちが底から見上げてる角度だったからだ
でもここでは私たちは海の真ん中にいることになる
これこそ自分がお魚になった気分で海を見渡せる感じがした
「あ、白崎さん見てくださいよ!!ほらあそこ!!お魚がグルグルーーって渦を巻いてますよ!!」
「…………ホントだ。見てて飽きない動きだな」
それは海の神秘とも思えるような光景だった
アナウンスによるとあれは自分より大きな魚を威嚇するためにやっているらしいのだが、太陽光を絶妙な角度で反射してこの世のものとは思えないような美しさである
しかも、あれを生み出しているのは日頃私たちが食べているいわしだと言うのだから更に驚きだ
いわしといえば梅煮が美味しいよね、ぐらいにしか思っていなかったけど生きているいわしはこんなにも美しいものだったのかとちょっそした感動である
「…………海で生きているいわしってこんなにも綺麗だったんですね。私、今度からいわしを見る目が変わってしまいそう」
「水族館って俺たちが知らないその生物の本来の姿を見せてくれたりするよな。そういうのをいろいろな人に知ってもらうため、体験してもらうために水族館は魚を飼育してるのかもしれないな」




