第6実験 婚約破棄を書いてみよう! その3
ということで、何故ニアでなければならなかったのか考えていこう。
前提として『悪役令嬢は本当に悪役で、王子は彼女を心から愛している』
それなのに婚約破棄が起こるシチュエーションが必要だ。
第5実験で書いたように、悪役令嬢は自分の夢のために悪役に。
王子は彼女を心から愛しているが、彼女が望んでいないことを察して婚約破棄を告げる。
つまり一般的な婚約破棄とは違って、ざまぁされる令嬢役に対して恋愛感情がないわけだ。
でも、婚約破棄というイベントは起こさなければいけない。
何故なら、これは婚約破棄テンプレだから。
もはや意味がわからない。
でも、このテンプレを選んだのはおやまだ。
責任をとって書かなくてはいけない。
となると、ざまぁされる令嬢役はなんなん? となる。
うーん。じゃあ、彼女が呼んだことにしよう!
おやまは思いついた。
なんでニア(主人公)を召喚したの?
→身体の持ち主である元ニアが、自身の発言で誤解を生んでしまったため、主人公を召喚した。
でも、自身の発言で誤解を生むタイプということは、自分(元ニア)と同じタイプではダメ。
ということは、性格や考え方は真逆な子の方がいいな!
そもそも、どんな誤解を生んだの?
→ヒロインが悪役令嬢として行動するのに、都合のいい誤解じゃないと。
愛だの恋だのだと、わかりやすくていいだろう。
ただ、おやまはざまぁはしたくない鳥だ。本当にそれが理由だと困る、誤解だし……。
わかった!
召喚した元ニアは、王子×ヒロインカプ推し。
ある日、友人と推しカプトークで少々すれ違う。
「彼(友人の推し)は相応しくない! 私は王子がいい!」
という発言をヒロイン本人に聞かれてしまい、それを悪役令嬢を演じるために利用される。
そしてあるあるな嫌がらせへ……。
誤解を解こうにも、彼女は推しだ。眩しすぎて話しかけられない。
そもそも、なんでそんな発言をしたのか問われたら詰むし。
だから王子に、されたことだけをかいつまんで説明した。
が、王子もそれを利用する。
これを理由にすれば婚約破棄ができる。つまり、愛する彼女を解放できる。
つまり全員のコミュ障が原因で、夜会が開かれたことにすればいい!
おやまの中では完璧な因果関係が構築された。
しかし、問題はまだ残る。
召喚した側は身体を譲る形になる。じゃあその間、本体の魂どうなんの?
テンプレを知らぬおやまにはわからぬ。
わからぬので、物に憑依させることにした。
召喚する子は、性格や考え方は真逆な方がいい。
ここまでは決まっている。
日常にあるもので、反対になるもの――
鏡があるやんけ!
こうして、元ニアは鏡になったのだ。
実に完璧な人員配置。
おやまは満足して、執筆に取り掛かった。
やっと取り掛かれます!




