第2実験 そもそもテンプレってなんぞや?
テンプレ作品を書くにあたり、おやまは思案した。
そもそもテンプレってなんぞや?
婚約破棄、悪役令嬢、ざまぁ、転生、追放、やり直し、ダンジョン、領地経営——。
そう、言葉だけは知っている。
いろんな投稿サイトでこの単語が並んでいるのを見るから。
おやまは以前、相互さんのテンプレ作品を読んで
「なんで婚約破棄したの?」
と、問うたことがある。
「なんでって、婚約破棄から始まる作品だから」
「え? でも婚約破棄した理由があるでしょ?」
「いや理由というか、そうしないと始まらないから」
「理由もないのに婚約破棄するの?」
というように、こうなると全く先に進めないのだ。
婚約破棄した理由は?
王族なのに婚約破棄を夜会でするのはどうなの?
てか王様はどう思ってんの?
そもそも破棄されるような相手を選んだ国大丈夫?
頼まれてもいないのに勝手に国政を心配するおやま。
優しい優しい相互さんたちが教えてくれてたどり着いた答えは——。
「なるほど! 婚約破棄する役なのね!」
つまり、婚約破棄するボンクラ王子役、婚約破棄される悪役令嬢役、ざまぁされるヒロインポジの令嬢役。
みんなお芝居をしているのだと考えることで、その時はなんとなくテンプレを理解できたのだ。
あのとき3時間近くテンプレ講座に付き合ってくれたみんな、本当にありがとう……。
しかし、書くとなると話は変わってくる。
何故、婚約破棄したのか。何故、悪役令嬢と言われたのか。
何故、ざまぁされるに至るのか。そもそもざまぁは必要なのか。
いや、いらない。おやまは過去に縛られない鳥だ。ざまぁは不要。
テンプレというものはそういう流れ。
そういうものだから、深く考える必要はない。
しかしそれでは、おやま自身が納得できないのだ。
例えば、鬼は悪いので退治します!
と言われても、その鬼は具体的に何したん?
を掘ってしまう。
誰かにとっての正義は、誰かにとっては悪になる。
そして全ての選択に、必ず理由があるとおやまは思っているから。
だから、婚約破棄する理由、悪役令嬢にされる理由。
これだけは絶対にそうだからそう、では済ませられない。
そこに至る理由が必ずあるはずなのだから。
そして、ない頭を必死に使い、出た答えは——
『悪役令嬢は本当に悪役で、王子は愛してるから婚約破棄したことにすればいいんだ!!』
だった。
テンプレって難しい……。




