キビ
「……やべぇどうしよう」
いま、今世紀最大の問題について考えている。
カリファの誕プレどうしようか問題。
カリファに聞くのは論外。助言なしに彼の望む物を用意する必要があるのだ!
「え?誕プレを何にするかって?」
ナルハに聞くと面倒臭そうな顔をされる。
「んな事言うわけないじゃない。誰が敵の助言なんてするの」
とすぐに却下された。
……こうなれば原作を思い出すのが効率がいいだろう。
原作を辿る……何がプレゼント……いい物はないか……
あれ?プレゼントなんてないな。
そう、忘れてはいけない。この作品はダークでバットエンドなのだから。
「ぐぅ……俺は一体どうすれば」
とその時、カリファが小鳥に夢中になっている所を発見する。
「カリファ、鳥を見てるのか?」
「うん!鳥さん可愛いなって!」
「そうか……鳥さんか!」
よし決めた!誕プレはペットだ!!
勝ったなこれは。
と言う事でまた許可を取って森に来ている。
今回ばかりは危険が伴うと言う事で少人数の兵士がいる。
「足元にお気をつけを」
執事のマルメは足元など身の回りの事をよく見てくれている。
勿論自分でも注意しているが。
ガサガサッ
途端、草むらが揺れた。
何かいる……
ガガガガガッ!
「来る!」
上半身が最初に出てくる。
うさぎみたいで可愛い!
下半身もウサギのように……
ニョロン
「……」
急に蛇。
なぜ下半身だけ蛇……
率直な感想としてはキモいであった。
作者がこんな可愛い生物を出すわけがないもんな…知ってたよ。
「私が守りま……」
パシュンッ!
光の矢が脳天を貫く。
「え……」
「すっ……凄い」
「あっ」
思わずやってしまった。
兵士の仕事を奪ってしまった。
「すみま」
「凄いぼっちゃん!気にしないでいいのでドンドン倒していって大丈夫ですよ!」
らしい。
よかったぁ……
モンスター討伐にハマった俺はその後も敵を倒していく。
そうしていたら3時間が経過していた。
「……ふぅ、まじでろくな奴がいねぇな」
上半身フクロウ、下半身蛇。
上半身犬、下半身蛇。
上半身猫、下半身蛇。
いや蛇好きすぎだろ……
「はぁ、真剣に見つからない」
このままでは誕プレが無くなってしまう。
それだけは絶対に避けたい!
ゴソッ!
またモンスターか。
上半身狐か……
どうせ下半身蛇でしょ?
「え」
下半身もキツネだァァァァァ!(歓喜)
「やりましたね!」
「早速捕獲しましょう!」
と捕まえようとしたが、その前に狐は自分の元に近づいてきた。
「お、懐いてくれたのか?」
嬉しい事だ。カリファにも懐くといいけれど……
いや違う。これは怯えている?
ズドンッ!
瞬間発砲音が鳴る。
兵士は先頭体型を整えた。
出てきたのは山賊五人。
「おいそこのガキ共、そのキツネを渡せ」
「そいつの死骸は高価なんだよぉ!」
遅い来る山賊。
……助ける他、道はない!
「光の弓!」
ピィィィンッ!
ドドドドド!
5連発発射。
敵はちょうど急所に当たり倒れる。
「うおおおおおおおおおおっ!」
兵士の盛り上がりは最高潮にまで昇る。
「さすがぼっちゃん!」
「光の戦士!」
「みんなの光!」
褒められすぎて恥ずかしい。
「キュウ!」
と狐が鳴く。
感謝を言っているのか?
ベッタリとしているのでとにかく屋敷までは連れていく事が出来そうだ。
「カリファにも懐いてくれよ」
「キュウ!」
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誕生日当日。
カリファが廊下を歩いている所を発見する。
「兄ちゃん!」
「カリファ、ちょっと来てくれ」
喜んでくれたらいいけど……
庭へ足を運び、例のお家へと移動する。
「この小さなお家に誰かがいるの?」
「そう言う事だ」
カリファは恐る恐るドアを開けた。
「キュウ!」
カリファの姿を見た瞬間、飛びつく狐。
尻尾を振って楽しそうにしている。
「可愛い!」
それに応じる様に狐を抱き返すカリファ。
どうやら気に入ってもらった様だ。
「この子の名前は?」
「カリファが決めればいいよ」
「それじゃあキビにする!」
「キュウ!」
キビが鳴く。
「兄ちゃん、素敵なプレゼントありがとう!」
「喜んでくれて良かったよ」
うおおおおおおおおおおおおおおッ!(歓喜)
が俺の心情だが勿論抑えている。
この笑顔は努力の100倍の価値があるだろう。
「可愛い」
というカリファも可愛い。
「……」
着々とハッピーエンドに近づいてきているのではなかろうか。
全ての原因は闇魔法。これ以上のいざこざは起きない筈……
「キュウ!」
と鳴くキビに視線を当てる。
「?」
尻尾に小さな炎がある様な……
それに尻尾が2本?
「ま、いっか」
しばらくの間、共に遊んだ。




