光魔法取得
執事経由で父から外出の許可を出された俺は、今現在、教会前にいる。
それもある計画の為だ。
「ラミエス様……どうして教会に?」
「たまにはお祈りをしてみようと思ってな」
「流石ですね」
俺の専属執事、マルメ。
彼は15歳という若い歳ながらに、何事も完璧にこなす完璧な執事だ。
まさに将来有望。
教会に着くと皆が椅子に座り祈っている。
ここで一度祈りを終えて光の書を貰う。それが今回の目的だ。
光の書とは光魔法取得の本である。
現在の時間軸においては光魔法は殆ど解析されておらず、最弱の魔法と言われている。
俺はその本領を知っているが、光魔法は基本的に魔力を大量に使用する為、現在の実力では不可能である。つまり俺の真の目的は光魔法を使用することではない。
「では祈りましょうか」
とにかく早くに光の書を貰おう。
祈りを捧げた。
ポワンポワン
瞬間、転生した瞬間に味わったあの奇妙な空間に陥る。
そして目の前が白色の場所に変わった。
「さっきまで祈っていた筈。原作にこんな場面は無かったんだが……」
トッ
背後に現れる謎の人。
人型なのは分かるが姿が何故か見えない。
この人は一体……
「誰なのか、それを君は問いたいんだね」
ッッ!!
心が読まれているッ
「ふふ……いい反応だね」
「貴方は……」
「私は神……つまり原作者だよ」
原作者……だと。
「本当に原作者なら一つ問いたい」
「どうぞ」
「なぜあの終わり方にした……せめてもう少し出来なかったのか」
「生憎ね。僕はどうしてもいい物語にする事が出来ないんだよ」
……
「僕が今日、君をここに読んだのは転生した事を自覚させる為。そして私の目的を知らせることさ」
「目的……とは?」
「先程の話と繋がるんだが、私はハッピーエンドがどうしても作れない。だから僕は見てみたいんだ。ハッピーエンドを」
「それで俺を?」
「そう、君のIFルートを見てみたいと思ったんだ」
俺が……見たいと願ったから。
見たければ自分でやれと言うことか。
「今回はそれだけ。面白い話を期待しているよ」
「……原作者、お前は一体何者ッ」
「バイバイ」
……
覚醒する。
「ラミエス様、相当な集中をしていましたね」
「……どれぐらい経った」
「40分ほど、瞑想していました」
時間差が大きい……
パチパチパチパチッ
すると拍手と共に1人の男が出てくる。
「素晴らしい祈りでした。こちらをどうぞ」
光の書。……しかも少し高価な物だ。
これを使えば魔法使用する為の魔力が少し減る。
「ありがたき幸せ」
と告げて教会を後にする。
よし、これで全ての材料が揃った。
《《闇魔法》》獲得へのな!
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「兄ちゃん帰ってきた!」
「お、カリファじゃないか」
「ずっと待ってたの!」
手を後ろにして何かを隠し持っている。
モジモジしながら渡すタイミングを図っているようだ。
「あ〜何か欲しい気分になってきたな〜」
「そうなの!」
「そうそう」
「何でもいい?」
「勿論!」
覚悟を決めたのかカリファは隠し持っていた花を出した。
「これ四葉のクローバー!今日見つけたの!」
「ありがとう、カリファ」
「えへへ」
天使ィ……
「喜んでくれてよかった!」
守りたい……いや守らなければいけないこの笑顔。
その為にも、闇魔法なんて一切手を触れさせない。
「兄ちゃん?」
カリファを狙う全てを潰し、ハッピーエンドを見させてやるからな!
「カリファ、とりあえず遊ぼうか」
「やったぁ!」
計画は着々と進んでいる。




