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長女ナルハ

出会いを終えた後、一度部屋に帰り部屋を漁ろうと決めた。

もしかしたら魔法学の勉強と言って別の事をしていたかもしれない。

原作ラミエスはそういう奴だ。


ガラガラ


置いてあった机の引き戸を引く。


「……」


そこには使い込まれた魔法学の本が3冊ほど置かれていた。

そのうちの基礎編①と書かれた本を手に取る。


「難しそうだな」


とにかくここに書かれた通りに試してみる。

すると指に軽く火が灯る。


「うわっ!」


本当に出るとは思わず、すぐに消火する。

ラミエスは弟の魔法の才能に嫉妬して虐めを始めた。最終の戦いでも魔法を殆ど使用しなかった為、魔法など到底できるものではないと思っていたが……


「出来るな」


これはきっと俺がすごいのでは無くて、この体がすごいのだろう。

使い込まれた本からもそれはわかる。


「努力を惜しまない性格……原作に書かれていたものと真逆だ」


さらに疑問が高まる。

ラミエスがカリファを虐める理由とは本当に原作通りなのか?


と、棚が二重構造になっている事に気づく。

俺は……それを開けた。



「ッ……!?」


そこにあったのは闇魔法と書かれた本。


闇魔法……原作でも恐ろしい魔法と書かれていた魔法だ。

この魔法は最強の魔法とされつつもその代償がとても大きい。


1つ、闇魔法取得時に魔力を殆ど無にする可能性がある事。

2つ、性格が大きく変わる可能性がある事。

3つ、周りに大きな不幸が舞い降りる事。


もしラミエスが闇魔法を取得しようと心得たのなら、全てわかる。

カリファの性格、魔法の才能が変わったのはこのせいであったのだ。


また周りの影響としても納得だ。

主人公が家を出た後にこの家系は弱くなっていく。

勿論、主人公も散々な目にあっている。


「……」


闇魔法の本はしっかりとしたルートでの獲得は不可能。

闇ルートでしか手に入らない。


原作に登場した一つの教団、「オーラバス」。

彼らは闇魔法の本を、代償を伝えずに最強と銘を打って渡した。

そして多くの人を闇魔法へと陥れて不幸にしてきた。


「コイツは……闇魔法の被害者であったのか」


勿論原作でした事は許されない。

それでも……


「ふぅ」


全て理解した。

原作ではラミエスだけしか闇の手が伸びなかったが、今回はわからない。


試行錯誤で頑張るしかなさそうだ。


---


「兄ちゃん!」

「ん、カリファ」


昼頃、カリファがトコトコと俺の方へと近づいてくる。


「どうした、楽しそうじゃないか」

「今日ね、簡単な魔法の勉強をしたの!見ててね!」


ボオッ


大きな炎が巻き起こる。


「ほら見て!大きいでしょ?」

「すっごいなぁ」


やはりカリファは才能がある。

っと……カリファがキラキラした目で何かを訴えているじゃないか……


「撫で撫でナデナデ!」

「やったぁ!撫で撫でだ!」


体のあちこちを撫ででやった。

うん、可愛い。


「兄ちゃん、僕すごい?」

「うん、凄いよ!」

「やった!褒められた!」


と喜ぶカリファ。

可愛い。


トツトツ


俺達のわちゃわちゃタイムを邪魔する者が1人。


「カリファ!……とラミエス……」


明らかに俺の時だけ嫌な顔をするこの女はナルハ。

長女であり10歳である。


「ナルハ!」

「カリファ……私の事ねぇちゃんと呼ぶって約束したでしょう?」

「ナルハ!」

「ねぇちゃん!」


彼女は原作が始まった時には寮生活をしていた為、家にいなかった。

原作の中盤、彼女とカリファは感動の再会を果たす事になるのだ。

そう、それこそがこの作品における数少ない感動シーンの一つだ。


「ラミエス、あんた魔法学の勉強で篭ってたんじゃないの?」

「ようやく終わってな。最近はよくカリファと遊んでいるんだ」

「チッ、私が独占してたのに」


カリファに聞こえない音量で呟くナルハ。


「ナルハ怖い……」


しかしカリファも怖い言葉を告げている事は、なんとなくでわかる様だ。


「怖くないよ〜」


となんとか弁解しようとするがもう遅い。

カリファは俺に抱きついてきた。


よしよししてあげるとまたニコッとしだす。


「ナルハと兄ちゃん仲直り」

「……」


明らかに嫌そうなナルハ。

しかしカリファの見ている中ならと彼女は先に手を出した。


ニコニコとかりそめの笑顔で笑う彼女。

望む所だ。


ギュッ


手を握った瞬間に強い衝撃が走る。

手に力を入れてきた。


「フンガァァァ!」


対応する様に力を込める。

しかし相手の方が強い。


「フンギィィ!」


と声を出すも全く歯が立てない。


グシャリ


俺の手は無慈悲に潰された。


「ナルハ、兄ちゃん仲直りできた?」


「出来なか「勿論できたよ!」


ナルハの声に押し潰され俺の声は悲しく消えていった。

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