嫉妬
「……確定だな」
キビの尻尾が6本になっている。
九尾で確定であろう。
「しっぽ増えてるねぇ!」
とモフモフするカリファ。
いつもの様に可愛い。
「ラミエス」
「……なんだナルハ」
クイッ
親指で向こう側を指す。
「……行くよ」
ナルハと俺は立ちながら話す。
「何の様だ」
「あんた、最近カリファの近くにずっといるよね」
「あぁ」
「なんで?」
いや……なんでと言われても。
「可愛いからじゃないか?」
「ずるい!ラミエスばっかり!私もカリファと遊びたい!」
「それなら行けばいいじゃないか」
「いや!嫌われちゃうかもしれないもん!」
カリファが嫌うとは相当だぞ。
原作では、闇落ちを果たすまで虐めを受けながらも兄を好いていた。
いつか変わってくれるのではないか……と。
「そんな事じゃカリファは嫌わない。逆に好印象だぞ」
「だって!おねぇちゃんって言ってといってもナルハって言うんだもん!」
「……」
「ラミエスのお見合い相手には言うのにさ!」
すごい嫉妬だなぁ……
まあ気持ちは分かるが。
「2人が嫌なら3人で遊ぶか?」
「……そうする」
「よし」
俺はナルハを連れてカリファの元に行く。
「カリファ、俺とナルハと一緒に鬼ごっこしないか?」
「やった!する!」
そして鬼ごっこが開始した。
最初の鬼は俺。
流石にゆっくり行こう。
「ギャーーーッ!鬼が来る!」
とカリファは俺から逃げていく。
こうも積極的だと少し悲しい。
「……」
ま、俺は平等主義だ。
パッ!
軌道を変えてナルハへと向かう。
「うっそ!速いよ!」
手加減はなしだけどな。
「ッ!」
ドドドドドドドド!
「は?」
出る8つの火球。
おい……庭を燃やすつもりか??
「死ねぇ!」
「ふざけんな!」
俺は鬼じゃねぇのかよ!
「光の壁」
すぐに展開。
焼け野原になるのを防ぐ。
「……」
その隙にナルハは遠くへと逃げていった。
「ふぅ」
そう来るなら俺もこっそり闇魔法を……
「いや」
次はカリファが悲しそうに見ている。
「ほら、行くぞ〜!」
「兄ちゃん来た!」
鬼って重労働だね。
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時間が過ぎた。
結局一度も捕まえられなかった。
「弱いね」
「うん」
……
鬼は酷い。鬼に人権はないのか。
いや鬼権か?
「っと……まあ今日は一旦帰って」
ザッ
背後を勢いよく振り向く。
「何だ……ここの執事か」
ゾワッ
瞬間、闇魔法の波長を受け取る。
不味いッ!
執事は影へと沈む。
そしてすぐに移動してカリファを抑えつけた。
「っと……動くなよ」
見ていた護衛も動こうとするものの、もう遅い。
「セキュリティ……どうなってんだよ」
前も闇魔法使いがいたと言うのに。
仕方ない。青炎を使おう。
青炎の本領は見え無くできる事。
手を上げながら
「ファイア」
と小さく呟く。
俺にだけ見える炎が出された。
目指すは顔だ。
「そ……そのまま動くなよ!そのままだぞ!」
バイバイ。
パシュッ!
魔法は敵の顔めがけ飛んでいく。
「グアっ!?!?」
そして敵の顔が勢いよく燃える。
「なんで!何も無かったはずなのに!」
戸惑う敵。
勿論、絶好の隙を俺は見逃さない。
バシュッ!
加速。
そしてカリファを奪い返す。
「兄ちゃん!」
敵は諦めてナルハへと向かう。
「チッ、火力を上げるか」
……いや、あいつに任せよう。
ナルハは手に風を起こす。
「ウィンド!」
そして敵は飛ばされて気絶した。
「うおおおおおおおッ!」
そしてナルハに向けて歓声が送られた。
「ふぅ」
皆から見れば急に敵が混乱しだしたように見えるであろう。
青炎は見えないのだから。
つまり今回の主役はナルハだ。
「カリファ、行ってこい」
と耳打ちをする。
カリファはすぐに駆け出していく。
ギュッ
そしてナルハに抱きついた。
「ナルハ凄い!」
「そうかな……えへへへ」
良かったね……ナルハ呼びは変わらないけど。
ま、当の本人が気にしていないならいいか。
「にしてもコイツ……」
前と同じ教団。
恐らくオーラバスだ。
「根に持っている様だな」
原作での場所は覚えている。
おそらく変わっていないだろう。
光、闇、そして青炎。
作中最強とも言える3属性がある今なら……
「ぶっ潰すか」
カリファ……そしてナルハを守る為にも。




