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目が覚めるとさっきの部屋にいた。体を動かそうとしても動かない。どうやら鎖で縛られているようだ。鎖を外そうとするが上手く行かない。
「起きたか、坊主。」
俺を気絶させたボスがこちらを見ながらヘラヘラしている。そしてその後ろに人影が見えた。5人ぐらいいる。
「お前、よく俺の部下殺してくれたな。」
相変わらずこちらを笑いながら言う。さっきから鎖を外そうとするが解けない。
「だからお前にも同じ苦痛を味合わせてやるよ。楽に死ねると思うなよ。」
そう言って取り出したのは俺が魔法使いを殺したナイフだった。血がべっとりついていた。そのナイフを俺に向けて腕に刺した。
「うがっ!あっあっ!痛い痛い!」
思わず声を出して叫んだ。痛い。左手にはナイフが刺さっている。
「まだまだいくぞ。」
ボスは今度は腹に刺した。痛い痛い。助けて。誰か助けて 。そんな願いは届かない。ナイフをグリグリし始めた。
「痛いだろう。もっと苦しめ!」
「痛い痛い!あああああああっ!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
助けて。何で誰も助けてくれないんだよ。何で俺はこんな目にあわなきゃいけないんだよ。どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして。
意識が朦朧とする。血を流し過ぎたようだ。このまま死ぬのかな。こんなやつらに殺されて終わるのかな。
ドクン、ドクン、ドクン
いや、そんなことあっていいはずがない。俺はあいつらをブチ殺すまで死ねない。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン
あいつらを殺す力を!俺によこせ!
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン――
その時俺の中で何かが変わったような気がした。確証はないが今ならやれると思った。手を動かすと鎖は簡単に解けた。あいつらは驚いていたが、俺は立って周りを見回した。思考はこれ以上無いぐらい冷静になっている。ボスは大剣を持ってこっちに走ってくる。さっきまでの俺なら恐怖で動けなくなっていただろう。でも、相手を見ていると、避けるのは簡単だった。相手の次剣をふる場所、次踏み込むであろう足の動き、呼吸のリズム、すべて手に取るようにわかった。
「なんで当たらねえんだよ!」
ボスは苛ついて振り回しているようだが、絶対に当たらないと確信できた。そのままボスの後ろにまわり、後ろにいる部下の1人を制圧する。ナイフを奪い、仕留める。その繰り返しだった。ついに部下は全員いなくなった。あたりは血の海のようになっていたがそんなことどうでもいい。俺はナイフを持ったままボスの近くまで行き、ナイフを突きつけた。ボスに戦う気はもうなくなったようだが関係ない。
「お、お前、俺の部下にならないか。い、今なら、幹部に入れてやってもいいぞ。」
ボスはそんなふざけたことを言ってくる。
「すまなかった。もうこんなことしないから。助けて。助け...」
俺はボスの首を切り落とした。その赤い部屋で立っているのは俺だけだった。




