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今日から傭兵 -就職先は軍事会社でした-  作者: 蒼乃堂紋
第8章『私情最大の作戦』
46/62

#44


時折後部座席から鼻歌が聞こえてくる。

とても戦闘ヘリを操縦しているとは思えないほど上機嫌なようだ。


「ヘリの操縦も出来るんですね」

「はい、留学中に研修の一環として習ったです!」


手持無沙汰だったのでなにげなく思った事を言ったのだが、まさか研修の一環として操縦を習ったなんて答えが返ってくるとは思わなかった。

留学先の研修で戦闘ヘリの操縦訓練ってなんだよと思うのだがそう言えば南部さんは自ら選んで民間軍事会社に就職した口だ。

その為にいろいろと資格を取ったのだろうと考えると納得する。

操縦の邪魔をしてはいけないどうと思い早めに会話を切り上げたが、島崎は特にする事もないので渡されていた資料を読んで時間を潰す事にした。

大まかな作戦概要が記された紙をめくる。


『私情最大の作戦 -五十嵐家上陸作戦-』


見出しはこうだった。どうも凝り性な社員が居るようだ。

私情と史上をかけているのか、ノルマンディーみたいに海岸線から攻めるのだろうか。

さて、本題に戻ろう。

見出しの次のページをめくると目次がありその次のページから今回の任務について説明があるようだ。

本当に任務と言っていいのか判断に迷うが会社からの指示なのでまぁそれでいいだろう。

本作戦の第一目標は五十嵐瑠璃との接触、次にお見合いを中止させる事である

作戦の内容はいたってシンプル。

実家に帰省している五十嵐さんと落ち合い、ご両親を説得し今回のお見合いを中止もしくは破談に持ち込めればこちら側の勝利という事になる。

言葉で説明される分には簡単だが実際に行動に移すとなるとかなり難易度が高いんじゃないだろうか。

両親の説得って言ったって正直に五十嵐さんの代わりに自分が部隊を率いるのは無理なんで寿退社は勘弁してくださいなんて言える訳がない。

どうにかいい文句はないもんかと悩むが一向に答えは見つからない。

説得する内容を考えながらもペラペラとページをめくっていく。

どうやら今回の作戦のサポート役は今アパッチを操縦している南部さんらしい。

本部との情報のやり取りを南部さんを通じて行うようだ。確かに俺1人で説得したりするのは難しい。

そもそも五十嵐さんの事をあまり知らないので今回は彼女達の協力無しでは成功できないだろうから助かった。

最後のページまで読み進むと人物紹介が載っていた。


「ふむふむ・・・へぇ、そういう設定でいくわけね」


島崎宏一(偽彼氏)、元陸軍局参謀本部所属。


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・!?


その説明文を読んだ時一瞬時間が止まった気がした。

読み間違いでは無いだろうかと何度も読み返すが間違っていない。

どうか書き間違いであって欲しい。


『偽彼氏』


つまりはあれか?

彼氏役って事だろうか。偽彼氏として五十嵐さんのお見合いを阻止しに行くっていう段取りなのだろうか。


「あの・・・南部さん」

「はい、なんですか?」


操縦中に邪魔しては不味いだろうとは思ったが確認せずにはいられなかった。


「この、彼氏って・・・」


ピー!ピー!ピー!

島崎がちょうど質問しようとした時にコックピット内に謎の警報音が鳴り響いた。

なんだなんだと慌てる島崎とは対照的に南部は落ち着いていた。


「こいつは・・・いい度胸です私に喧嘩売ってるですです!」


それまで普通に飛行しているかと思ったら飛行速度を上げると急上昇を開始した。

何が起きているか分からずに混乱する島崎だったが唯一分かったのは体にかかる重力が増している事だけ。

急激な加速と上昇に伴い通常の2~3倍の重力が体を襲っている。普段経験した事の無い体験に島崎は気が遠くなるのを感じた。

いまだに鳴りやまない警報音とこの状況を楽しんでいるかのように嬉々として操縦する南部さん。

どうしてこうなったのかと頭を抱える島崎であった。


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