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温かいお茶 その後  作者: カラカラ


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7/14

初めてのお泊まり 7

マキナに手を握られたまま、俺は何も言えなかった。


嫉妬なんて格好悪い。


そう思っていたのに、マキナには全部見透かされていた。


「ふふっ。太一、分かりやすすぎ」


「うるさい」


「拗ねとる?」


「拗ねてない」


そう言い返すと、マキナは楽しそうに笑った。


「じゃあ、次は絶叫系乗ろ!」


「えっ?」


「もちろん一番怖いやつな!」


嫌な予感しかしなかった。


そして…


この遊園地で大人気のジェットコースターに乗る事になった。


待ち時間は15分程。


雑談しつつも俺は苦手なジェットコースターにドキドキしていた。


そして順番に乗り込み、ガタゴトと動き出す。


その時、マキナが俺の手を握ってきた。


マキナの顔を見ると、緊張していた。


もしかして、絶叫系苦手⁈と聞くと、


高所恐怖症やねん…


真剣な顔で前を見つめながら呟く様に言った。


思いっきり笑ってやろうと思ったが、少しずつスピードを上げるジェットコースターに俺も余裕がなくなった。


ジェットコースターから降りると、2人とも疲れはて、ベンチに座り込む。


数分程、無言の時間が続く。


ふと、気づくとマキナは俺の顔を覗き込んでいた。


俺もマキナの顔を見る。


特に、何か起きた訳ではない。


ただ、お互いの情けない顔を見ていると、おかしくなってしまった。

気づけば2人とも、声を出して笑い合っていた。


笑いながら、そろそろ閉園時間も近づいてきたから、最後に観覧車で落ち着こうと話しになった。


乗り場まで歩いてると、


よければ写真お撮りしましょうか?


と、スタッフから声をかけられた。


俺はマキナにどうする?と聞こうとマキナの顔を見る前に、マキナが、


お願いします!


と答えていた。


俺は呆れた様に笑いスタッフにお願いした。


観覧車の前で撮りますね!


そう言い、スタッフは俺たちを撮影スポットまで誘導した。


観覧車の真正面まできて、何かポーズしてください


と求められ、ありきたりではあるがしっかりと手を繋ぎ満面の笑顔で大きくピースして撮ってもらった。


スタッフから写真を受け取り、観覧車の乗り場もすぐそこだった為観覧車の中で写真を確認した。


そこには、本当に幸せそうな2人が満面の笑顔で映っていた。


「いい写真やね」


マキナは嬉しそうに写真を見つめ、小さく笑う。


「これ、大事にする。」


そう言って、バッグにしまおうとした時だった。


ふと、俺は写真の端に目を止めた。


「……ん?」


俺達から少し離れた所。


人混みの中から、こちらを見ている男が一人写っていた。


帽子を深くかぶり、腕を組んだまま、真っ直ぐ俺たちを見ている。


偶然……だよな?


そう思った、その瞬間。


マキナの表情が変わった。


笑顔が消えた。


「……えっ」


手にしていた写真を、ぎゅっと握りしめる。


「どうした?」


俺が聞くと、マキナは写真から目を離さないまま、小さく呟いた。


「この人……」


そう言いながら、俺も気になった男を指差した。


その声は、さっきまで笑っていたマキナとは別人のように震えていた。

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