初めてのお泊まり14
ゆっくりと目を閉じる。
膝から伝わる温もりが心地よくて、さっきまで張り詰めていた心も体も少しずつ力が抜けていく。
「寝ちゃった?」
優しく髪を撫でながら、マキナが小さな声で聞いてきた。
「……まだ起きてる。」
そう答えると、マキナはクスッと笑う。
「今日はいっぱい頑張ったもんね。」
その一言だけで、不思議と胸が熱くなった。
「マキナもな。」
そう返すと、マキナは少し照れたように笑って、
「ねぇ、太一。」
「ん?」
「今日は、このままでいてもいい?」
その言葉に俺は静かにうなずいた。
「もちろん。」
そう言って、俺は眠りについた。
何時間眠っただろう。
ふと目を覚ますと、見慣れない天井が目に入った。
「ああ……そうだった。」
昨夜の出来事を思い出し、思わず小さく笑う。
マキナは膝枕をしたまま、静かな寝息を立てていた。
すぐ近くにある穏やかな寝顔を見つめていると、自然と頬が緩む。
「……可愛い。」
小さく呟き、そっと唇を重ねた。
起きなくてよかった。
そう思いながら、喉の渇きを覚えて冷蔵庫へ向かう。
冷たいお茶を一口飲むと、頭が少しだけ冴えた。
「もう少し寝ようかな。」
そう思ってマキナの隣に横になると――
「太一。」
突然、目を閉じたままマキナが口を開いた。
「……え?」
「今、寝てる私にキスしたでしょ?」
思わず固まる。
「……うん。可愛かったから。」
正直に答えると、マキナはゆっくり目を開けて照れ笑いを浮かべた。
「ばか。」
そう言うと、今度はマキナの方からそっと唇を重ねてきた。
少しだけ長いキス。
言葉はいらなかった。
そのままマキナを優しく抱きしめ、お互いの想いを確かめ合った。
デリヘル嬢と客ではなく、恋人同士として…。
ひとしきり穏やかな時間を過ごしたあと、二人でお風呂へ向かった。
デリヘルで会っていた頃とは違う。
心も体も満たされるような、不思議な幸せを感じていた。
お風呂では、また他愛もない話で笑い合う。
そんな何気ない時間が、何より愛おしかった。
お風呂から上がると、再び眠気が襲ってくる。
「さすがに眠いね。」
「私も。」
二人で笑い合い、ベッドへ潜り込む。
互いの温もりを確かめ合いながら寄り添うと、いつの間にか穏やかな眠りに落ちていた。




