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机の上の三姉妹~あなたの心サポートします~  作者: はらぺこ姫
大会予選・動画作成(後半)編
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数字を書こう

【冬樹のバイト先】

「今年の動画バトル。

過去最高の参加者数だったみたいだね」

店長の言葉に、そう言えばとコメント欄を思い出す。

「模倣判定も多くてさ。

グレーだと減点対象になるからね。

なかなか楽しそうな大会になりそうだよ」

弾かれるだけじゃなく、グレーも存在する?

「予選は振るい落としだからね。

秒数の変化についていけなくてさ。

ハプニングが毎回起きるんだよね」

店長は、ニマニマしながら冬樹を見た。

「グレー判定って何ですか?」

とりあえず、冬樹は確認する。

「ほぼ同時期に似た動画が投稿されていたら。

グレー判定になるんだよ。

流行りのものとかは注意だな。

だから、後から動画を出すより。

できたものはこまめに出す方が良いね」

なるほど。できた動画はチェックしないと。


【冬樹の部屋】

「夏。あれから提出できそうな動画出して」

夏の扇が揺れる。

夏『20本弱といったところかしら?』

そう言いながら、投稿した動画を浮かび上がらせる。

「でも、視聴率が思ったほど伸びてないな」

仕方ないとは思いつつ、チェックを始めた冬樹。

秋『そうですね。

夏のピアノシリーズを出した時期と。

一次予選の結果が出たのが同時期ですし。

元動画にタグがついたのもその頃ですから』

そうか。皆、一次予選を観に行くから。

春も頷く。

春『夏の一次予選の元動画、すごく伸びている。

その流れで夏のピアノは見てくれているみたい』

やっぱり間違いない。


「よし、提出してみるか」

二次予選に向けて、追加の18本の動画を提出。

アップロードする段階で、2本の動画がグレーに光る。

「え?そんなはず」

冬樹が慌てて見直す。

秋『提出した動画の中に。

構造などが似ている動画が存在するようです。

動画の変更をしますか?』

秋の言葉に、悩む冬樹。

グレーになった動画のタイトルからして。

大会出場と、第一次予選通過は確かに皆出す。

「確か、今出したのは最終変更できたよな?」

秋が頷く。

秋『はい。予選前に出したものは無理ですが。

予選中のものであれば、本選まで変更は可能です』

春『本戦まで使えないもんね』

自分の視聴者としての経験から。

新規の動画はどんどん見られなくなる。

理由は明確で、予選動画を皆観るから。

「最終調整する前提で、今はアップロードしておく」

次からの動画は慎重に考えなければならない。

「夏と秋、今まで出した動画で。

人気はあったけど、被りの少なそうなものはあるか?」

夏が人気の動画順に出し、そこに秋が照合していく。

夏『やっぱりドラマが強いかしら』

夏が扇で動画を分類しながらつぶやく。

秋『確かに被りも少ないですが。

割に合わない気がします』

冬樹も、そこは秋の意見に同意する。

「今書きかけの秋の動画しか間に合いそうにない。

それに、お題に合うかと言われれば、難しいと思う」

枚数は稼げるが、手間の割に動画バトルには向いていない。

夏『ダンス系も無理ね』

唸る3人の横で、春が手を挙げる。

春『冬樹の誤字の話。

意外とみんな見ているよ』

夏が慌てて分類をし、秋が照合する。

秋『被りは少ないです』

夏が、ちょっと嫌そうな顔をする。

夏『あれ、私にはノイズにしか見えないのよね』

その言葉に、冬樹の頭に閃くものが。

「春、元画からのノイズ何処まで重ねられる?

夏がギリギリ判別出来る範囲で。

今から書く字にかけてもらいたい」


そして、画面中央には、夏と秋が座っている。

背後中央には冬樹の文字があり。

下にフリガナが振ってある。

春『やっほー。春だよ。

今日はね、あの後ろの字を復元できるか対決』

そして、冬樹の字が消えて。

春の出した絵に切り替わる。

春の合図で振り向く2人。

夏『ノイズを除去すれば宜しいのね』

秋『判別のサポートはお任せください』

夏のペンが、絵の前を走る。

絵は、少し歪んでは、戻り。

歪んでは戻り。

秋の指揮棒が所々チェックする。

やがて、一つの文字が浮かぶ。

出たのは数字の“7”

夏『これね』

満足そうにペンを振る夏。

春『残念数字の“1”』

改めて横に出された冬樹の字と。

自分たちで除去した字を見比べる二人。

夏『何故、ここの線が長いんですの?』

秋『一般的に、これだと7になります』

そこで画面が切れる。

秋『主様。今後は1を書く時は。

下に線を引くことを強く推奨します』

秋の横で夏が頷く。

「引いているけど?」

冬樹が首を傾げる。

冬樹の字を眺めていた春が、冬樹の方を向く。

春『え?あれ、数字の一部だったの?』

ん?冬樹の首がさらに傾く。

春『フリガナ、いーちじゃないの?』

はい?

「なんでそうなる?」

冬樹が春に詰め寄る。

夏『そりゃ、フリガナは真上か、真下に振るものよ。

字の途中に普通は書かない』

夏の呆れた声。

秋『それに、いつも思うのですが。

何故、変なところで空白を作るのでしょうか。

空白は、文字と文字の間に作ってください』

そのあと、冬樹は泣きながら三姉妹指導の元。

数字を延々とノートに書かされた。


【スマホの中】

夏『あれから、すべての数字を観ましたけど。

何故、数字の8が&になりますの?』

夏が首をひねっている。

秋『そうですね。練習したら、今度は∞になりましたし』

秋のため息。

春『どうしてだろうね。面白いから撮ったけど』

動画は増えているけど、冬樹の何かが消えている。

でも、冬樹がイキイキしているからいいいかな。

春は、深く考えることを止めた。

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