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ロゴを作ろう

【冬樹のバイト先】

「冬樹くんのポップは味があって面白いね」

店長の横でポップを練習していた冬樹は顔をあげる。

「でも、お店には出していませんよ?」

冬樹の書いたポップは、休息室で眠っている。

ちょっと自信作を見せても。

店長はもったいないと言って出さない。

「こう言うのはね、価値が出てから出すに限るんだよ」

首を傾げる冬樹。

前に店長。

商品を売るためにポップを書く。

そう言っていませんでした?


【冬樹の部屋】

「動画のタイトルロゴ作ろうと思うんだ」

いきなりの冬樹の宣言に。

三姉妹の首が傾く。

「ほら、コメントも来るようになっただろ?

だから、4人で対決しないか?」

やっと納得のいった三姉妹。

春『面白そう』

春は当然ノリノリ。

夏『それもアリですわね』

夏も、楽しそうだ。

秋『ルールを決めませんと』

秋の言うことは、もっとも。

「一番時間のかかる俺が、出来次第ということで」

三姉妹なら一瞬で出来るので、当然である。

画面の4方向から、タイトルロゴが出てきている。

春『今日はね、タイトルロゴ決めようと思うんだ』

春の出だしに始まり。

夏『当然私のものが選ばれるでしょうけど』

と、夏が扇を揺らしながら。

秋『良いと思ったものを。

コメント欄で教えてくださいね』

それぞれのロゴには名前ではなく。

番号が書かれている。

それを判りやすいように順番に見せる。

春『ちゃんと、私のロゴ見つけてね』

ラストは春の手振りで終わる。

「うん、これで公平だ」

アップロード画面を見ながら冬樹。

名前で出すと、三姉妹に勝てないと踏んだ冬樹。

匿名性があれば、自分が選ばれるに違いない。

店長も、味があると褒めてくれた。

姑息にも、番号案を出した。

夏『見たら、誰が書いたかすぐわかると思いますけど』

そんな、夏の言葉は聞かないに限る。


【スマホの中】

夏『本気で、バレないと思っているのかしら』

夏のボヤキ。

春『そりゃ、自信作だからね』

苦笑いで春が答える。

秋『何日もかけて作っていましたからね』

秋の言い方は保護者に近い。

春『でもね。漢字を間違えたくないからと。

全部ひらがなは、返って見にくいと思うんだ』

それには、三姉妹の沈黙。

確かに読める。

読めるけども。

でも、ロゴになると逆に読みにくい。


【冬樹の部屋】

コメントを見た冬樹。

「なあ、ロゴ当てゲームになってないか?」

春『2番が春ちゃん。カラフルで可愛い』

正解とばかりに、くるくる回る春。

夏『1番は、気品があるから、夏ちゃん』

当然とばかりに、夏の扇が揺れる。

秋『秋ちゃん、書道していたから4』

たしかにと秋も頷く。

「で、なんで俺のはテロップ扱い?」

納得がいかない冬樹。

春『そりゃ、一直線に均等でひらがなだと』

春のダメ出し。

夏『強弱が必要』

夏が頷きながら補足。

秋『せめて、二段にすれば…大丈夫かと』

珍しく、秋が断言を避けた。

果たして、ロゴは決定するのか?

悩む冬樹に

秋『組み合わせて出してみます?』

秋の提案に。

春『それぞれに冬樹のをくっつけて出せば』

春が試しとばかりにやってみる。

「融合された?」

下の部分にリボンのようなもので足された冬樹の字。

これはこれでアリかも知れない。

夏『なら、こうかしら?』

夏も、試しとばかりに取り込む。

「俺の字が読めない」

夏の場合は、模様扱いにされている。

秋『でしたら、こう?』

秋は少し苦戦したようだ。

「完全に俺の字じゃない」

書道には、冬樹の字は合わなかったようである。


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