表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/47

動画バトルとは

【冬樹の部屋】

秋『動画バトルの参加条件の一つ。

アカウントの登録者100人達成しました』

秋の言葉に冬樹の目がぱちぱちと動く。

「そうなの?」

この前、100本の動画が必要。

それは理解していたけど。

春『やったね!』

春の喜びも、夏の当然とばかりの頷きも視界には入る。

でも、頭の処理が追いつかない。

秋『主様。一度動画バトルの話、整理してみますか?』

秋に促されて。

冬樹は、自分の知っている知識を整理することにした。

「元々、この動画バトルは。

四天王が始めたチャンネルの一つで」

動画には、四天王と呼ばれる存在が居る。

・TENTYOO

・TENINN

・天楽

・天金

この4人。

この4人のサイトは今でも不動の人気だ。

「誰の動画が面白いか比較するために、同じ条件で。

自分のサイトの動画を視聴者がジャッジするスタイルにした」

1分動画=動画バトル

この認識もこれが始まり。

「それを。まとめてデッキ扱いにして。

それが今の動画バトルの始まりだと」

子供のころ、わくわくして観ていたのを覚えている。

ネタ帳なんて作り出したのもそのころからだ。

「そのやり方を真似する人が増えて。

トラブルも増えて収集がつかなくなったから」

四天王が公式としてルールを作ったんだ」

イチ視聴者の認識なんてこんなものだ。

細かいルールを知らなくても。

面白いか、面白くないかくらいは判る。

春『最初はデュエル方式だったんだね』

とは春。

「イメージとしては、カードバトルが近い」

のちに参加者が増えるにつれ、今のスタイルに変化した。

今でも、公式でない場所ではその方式もまだある。

夏『主催者の出すお題への親和性。ここも評価対象』

確かに。

たまに、お題と全く違う動画を出しているのを見るけど。

そうか、デッキ不足も評価の対象なのか。

言われてみればその通りなんだけど。

そこをあえて逆手にとって、笑いに変える動画もあるから。

その辺はどう判断されるのだろうか。

秋『どうします?このままのんびりやるのも手です。

実際、何年もかけて参加される方も居ます』

うーん。どうだろう。

「参加、出来るのか?」

冬樹の問いに。

夏『条件さえクリアすれば、参加はできる』

もっとも。

春『せっかくここまで来たから、参加しようよ』

それもある。

秋『目標であれば、いずれ参加可能です』

冬樹には、いまだに規定やら規約やらは判らない。

三姉妹のサポートなしでも動けない。

でも。

「動画は作る。その先は、作ってから考える」

作る過程の楽しさを知った今は。

もう知らなかったころには戻れない。


【スマホの中】

春『冬樹、気づいていると思う?』

春の問いに、夏と秋の表情は微妙だ。

夏『もう少し頑張れば、十分参加可能なのに』

夏は、悔しい方が勝っているようだ。

秋『実際、今のデータからでも。

何本かは作れますからね』

そういう手法で出している動画も多い。

むしろ、そっちのほうが主流ですらある。

春『本気で100本作るのかな』

さすがに、ないと思いたい。

でも、それも楽しそうではある。


【冬樹のバイト先】

「冬樹くん、ボーナスだよ」

そう言って、冬樹の手に乗せられたもの。

「動画バトル参加のための小冊子?」

しばらく眺める。

そして、やがて理解が追いつく。

「これ、本当に存在していたんだ」

検索すればなんでも出てくる今の時代。

わざわざ小冊子にする意味もない。

なのに、密かに噂に上っていたもの。

「あるよ。入手方法が特殊なだけで」

店長、まさか何かやましいことでも。

「だって、うちスポンサーの一つだし」

そう言って、店長は冊子の裏にある一部を指さした。

確かに、この店の名前が書かれている。

「せっかく冬樹くんが喜ぶかなと取り寄せたのに」

おっさんが床にのの字を書いても、可愛くはない。

それよりも。

「小冊子だと、四天王の動画の作り方。

なんて特集があるんだ」

思わず、冊子をむさぼるように読む冬樹。

「仕事の時間なんだけどなあ」

渡すタイミング間違えたな。

という店長のぼやきも、冬樹の耳には入っていない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ