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逆襲のダゴン像

 魚神像の前で歯がみするアクアブルー。

 そこへビヒモウスの間からソルレッドとグライアイがマリを連れて出てきた。


「おお、ふたりともよくやってくれたな!! マリさん、無事だったようだな!!」


「うん……なんとか、蒼太くんのお仲間に助けてもらったのよ」


 ソルレッドが割り込み、


「早く脱出しよう……海底神殿が27分後に爆発するぞ!!」


「何だってえ!? なんでそんな事に!?」


「リュージョン姫の石像ビヒモウスを破壊すると……くわしい説明は後だ、早く脱出しよう!!」


「いや、まだ魚人司教が石像の中に残っているぜ!!」


「早くしないとみんな神殿の下敷きになるのだわよ!!」


「お願いよ、蒼太くん!!」


 女性陣にかこまれた蒼太は、


「ちぇっ……わかった、わかったって!!」


 父の仇の魚人司教を直接たおせないのは心残りだが、蒼太はグラン・ストリームにマリを助手席に乗せた。

 ソルレッドとグライアイは後部座席に座り、ドック港へ急ぐことにした。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


 神殿が揺れた。


「あれを見て!!」


 マリが指差すさき、巨大なダゴン像の足が動いた。

 石像のはずなのに、なめらかに動き出した。

 三叉槍を持ち上げてゆくのが見えた。


「ちょっ、石像が動いたのだわよっ!?」


「石像が動き出すなんて、どうなっているんだ!?」


 おどろくアクアブルーたち。

 魚神像の口辺りから声がした。


「貴様ら……よくも我らアビサロン秘儀教団の……長年の宿願をご破算(わさん)にしてくれたな……」


「その声は魚人司教!?」


「神罰を受けよ、イクシード・フォース!!!」


 魚神像が三又槍を振り上げ、グラン・ストリームに突き刺す。

 間一髪、それより早く前に出たグラン・ストリームのいた跡に、巨大槍が地面を突き刺していた。


「待てい、穢れし地上人ども!」


 ダゴン像は神殿のトンネルのような廊下を破壊しながら車を追い掛けた。

 後部座席からイクシード・ライフルで石像を撃つソルレッド。


「だめだ……石像にヒビも入らない」


 車が廊下を潜り抜け、ドック入口に進むと、前方に波止場があり、ドック湾内の海水が広がるのが見えた。


「ちょっと、スピードをゆるめないと、海に突っ込むわよ!?」


 事情を知らないマリが悲鳴をあげる。


「いいんだよ、これで!!」


「きゃあああああっ!!」


 蒼太はアクセルをふかし、フルスピードでグラン・ストリームは波止場を飛んだ。


 グラン・ストリームは空中で変形しエスパーダ・ハリアーとなった。


「なっ、車が変形したわ!?」


 ハリアーそのまま水中に没し、待機していたエスパーダ・フリゲートと合体した。


 エスパーダ・フリゲートが水飛沫をふりまき、ドック港を浮上する。

 ソルレッドとグライアイが通路から各自の操縦室へ向かった。

 残ったマリはアクアブルーの操縦室の背後の非常用ペースに座る。


「悪いなマリさん、狭いところだが、ちょっとの間だけ、勘忍してくれ。安全のため、壁にある非常用ベルトをつけてくれよな」


 蒼太の指示で安全ベルトを装着するマリ。


「なんなのこれ、車が戦闘機みたいになっちゃったけど……」


「イクシード・フォースがほこる対アビサロン用決戦兵器、エスパーダ号さ!!」


「なにそれ!?」


 口をあんぐりと開けるマリに、蒼太は得意げに説明した。

 サイドモニターのグライアイが、


「あと15分で爆発だわよ!!」


「脱出前にケリをつけてやるぜ、魚人司教!!」


「ちょっと、これ以上、何をする気なの!?」


「見てなって、三機分離(トライアウト)!!」


 エスパーダ・フリゲートがまた一号機、二号機、三号機に分離し、三機がバラバラに空中を飛び、再び集り、デルタ隊形(三角形)を取る。


「三機合体(トライバイン)、エスパーダ・ドラグーン!!」


 銀青色(ぎんせいしょく)の金属装甲に輝く人型戦闘兵器に変形し、波止場に着地した。


「重装竜騎兵エスパーダ・ドラグーン!!」


 操縦室の壁がマルチスクリーンモードになり、ドック湾が丸見えとなった。


「なんなのこれ、男の子向けロボットアニメみたいだけど!?」


「まあ、似たようなもんかな?」


 ドスン、ドスン、ドスンと、地響きが聞こえ、身体が震えた。マ

 リが操縦席の前方スクリーンを見ると、


「きゃああっ、前から怪獣がやってくるわよ!!」


 前方からダゴン像がのしのしと迫ってきた。


「面白いものを繰り出してきたな……アビサロンの守護神であるダゴンさまが、地上の穢れし民どもを粛清をしてくれるわい!!」


 魚人司教の指示で、波止場の岩壁から五台の電磁ワイヤーが放たれた。

 鉄輪の枷(かせ)がエスパーダ・ドラグーンの首と両手首両足首にはまって、重装竜騎兵が捕まった。


「しまった!!」


 鉄輪と基部をつなげる電磁ワイヤーが急速に引き絞られ、ドラグーンは波止場の岩壁に磔(はりつけ)となった。


「ぎゃっ!!」


「あいたっ!!」


 操縦席に頭をぶつける四人。


「いいざまだな、エスパーダ・ドラグーン。ダゴン・トライデントを食らえっ!!」


 ダゴン像が駆けより、三又槍をエスパーダ・ドラグーン胴体に突き刺した。

 裂け目ができて、内部回路がショートして火花を出す。


「くそっ!!」


「このまま炙り殺しにしてくれるわい、ダゴン・ブラスター!!」


 ダゴン像の両眼から高熱光線(ヒートキャノン)が発射され、エスパーダ・ドラグーンを熱していく。


「高熱地獄は続くぞ……ダゴン・フレイム!!」


「うわああああっ!!」


 さらにダゴン像の口から高熱火炎が吐き出された。磔にされたエスパーダ・ドラグーンの装甲を熱責めにしていく。


「なんじゃいこれは……耐熱装甲の限界を上回る熱量じゃぞ!?」


 サイドモニターの『T』が熱量を計測して目をむく。


「このままじゃ、おれたち蒸し焼きにされちまうっ!!」


 アクアブルーがあせりの声を発した。





次回最終回は午後5時過ぎに更新予定です。

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