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6.幕間―写真を撮る理由―
私が写真を撮る理由。
もちろん、祖父のこのカメラを使ってみたいという気持ちが一番だった。でも、それ以上に私は祖父と同じ景色を見てみたいと思った。
祖父が亡くなって五年以上が経ち、異動前に実家の整理を手伝っていた時に出てきたのがこのニコンのフィルムカメラだった。父もこのカメラの存在は知らなかったようで、中には使い切ったフィルムが入っていた。
試しに現像してみようと皆で現像するとそこには三十六枚の景色が切り取られていた。
それは九枚ずつに納められた四季折々の景色だった。
海と電車が見える春。緑と残雪の山岳地帯。紅葉広がる青空。そして、冬の富士。
どれも知っているようで、知らない世界。
デジタルカメラとは違う優しい手触りをした色合いと、まるでそのときの音と空気を閉じ込めたような一枚一枚はほとんど知らない祖父の記憶。
私はこの写真をなぞりたいと思った。
これが、私がこのカメラにこだわる理由なのだ。
「幕間 写真を撮る理由」いかがだったでしょうか。
こだわることはとても大事ですが、やり過ぎもよくないですね。何事も過ぎたるはなお及ばざるが如し。ほどほどが大事ですね。




