フハハハハ! 我は構成員の中でも最弱!
皆さんこんちゃ! ぐれねぃどです。
今回は皆さんにさして重大ではない発表があります!
なんと今回、俺が書いた中で最も長いっす!
ただし4600字ぐらいなので皆さんからしたら少ないかもですね。
それでは本編をどうぞ!
さて、ネフティスでの事を知る由もない良たちクエスト攻略隊。
「地下五階……つまりこの人魚の中をあと二回はくぐり抜けるのか……」
人魚を倒してからマップを開いて現在位置を確認する、ダンジョンでは大事なことだ。
マップ欄はローディング中と表示されている。
「うん、まぁでもこのメンバーなら行けるんじゃないかな?」
大文字は軽く言うがここのモンスターの実力はまだわからない。
だって入口のこいつとしか戦っていないのだから。
「……!? あ、アレ!? マッピングされてる!?」
なんと、ローディングが終わり、マップが表示された。
通常ならば、現在立っている場所ぐらいしか表示されず、進むごとに表示領域が増えるのは探索ゲーの基本である。
「どういうこと?」
響が不思議がる。
「どうもこうも、俺たちより前に誰かが入ったってことだろ」
そう、それ以外に考えられない。
問題はそれが誰か? ってことだ。
「いや、せっかくマッピングされてるんなら利用させてもらおうぜ、合流すれば戦力も増えていい事ずくめじゃねえか?」
ゴウさんが提案してくれる、しかし――。
「そうじゃない、問題はどうやってここを見つけたのか? ってことよ」
夜桜が俺の心を代弁してくれた。
「ここは俺が偶然見つけたダンジョンなんだ……、そんな簡単に見つかるはずがない」
「でも、立ち止まっていちゃ始まらないし、とりあえず進もう」
大文字が空気を変えるために歩き出す。
「……その通りだな、今このことを考えても情報が足りねえし、進もうぜ」
その後ろにゴウさん達が続く。
まあたしかに、考えてもしょうがないか。
道中、人魚のようなモンスターはあまり湧かなかった。
「……ここはなにか? あれなのか? 俺たちは誘導されてるんじゃないのか?」
俺は不安になり、後衛の皆に聞いてみる。
一同は顔を見合わせて「どうする?」といった表情になってしまう。
しかし、ゴウさんは立ち止まらずに一つ先の曲がり角まで行っていた。
「いや、……どうやら先に入った奴はなかなかの腕のようだ」
その言葉に全員首をかしげてしまう。
「どういうこと?」
夜桜が角まで進み、「ふぅん……」と意味深な事を言った。
「何があったんだよ」
俺も曲がり角に近づいて、その先を見る。
「…………はぁ?」
巨大な、地下に続く階段。
その先には小さく、ボス部屋の扉があった。
「何があったんだい?」
大文字と響、エンさんとヤスさんが遅れてやってくる。
「「「「ボス部屋……」」」」
彼らは同時につぶやいた、どうやら見間違いではないらしい。
「行こう、先に来た奴がどんな奴らか知りたいし、もしピンチにでもなっていたら大変だ」
俺はみんなに告げ、階段を駆け降りる。
背中の方から皆のついてくる足音が聞こえる。
駆け下りたその先。
ボス部屋の扉を開けた俺の目に映ったものは。
――十メートル近くありそうなな魚人、そして――
「ミ、ミズキ? トモキ? お前ら!」
魚人の前で倒れているミズキとトモキだった。
思わず駆け寄り、二人の肩を揺する。
「リョウ! 危ない!」
「……っ!」
夜桜の声で反射的に魚人を見上げる。
しかし攻撃してくる素振りはない。
「な、なんだ?」
俺は一瞬硬直する。
「ばぁーか」
魚人がおぞましい声で言う。
背筋を舐められたかのような寒気と虫唾が走る。
ザシュッ
うつ伏せの状態のミズキとトモキが紫色のナイフを刺して来た。
「……はっ、はぁ?」
とっさにトモキたち二人から距離を取る。
俺のステータスは……毒のアイコンが二つ出てる、猛毒だ。
猛毒は通常の1.5倍以上の速さでHPを削ってくる。
「リョウ!」
大文字たちが駆け寄ってくる。
「くっ、一旦引く! 夜桜は俺の毒を消してくれ! アリア! 出番だ、皆をフォローしてくれ!」
指輪が輝き、アリアが出現する。
「わかった!」
アリアの返事を聞いて、俺は夜桜に駆け寄る。
「この毒、消してくれ!」
「OK、すぐに消すよ」
この猛毒、いやらしいことに市販の薬では消えない。
「『プライケアリー』!」
この通り、専用の呪文が必要である。
俺は覚えてないが魔法と名のつく職業ならほとんどの奴が習得している。
魔法剣士は何故か覚えないようだ。
毒のマークが消えるのと共に回復アイテムを服用する。
半分近くまで減ったHPを少々上回る回復量のものを使ったので全快になる。
戦っている方は、相手がプレイヤーということもあり、下手に手出しができないのか防戦一方だ。
巨大な魚人――、ファルネウスは不遜な態度で俺たちを見ている。
「ふざけんなよ?」
ファルネウスはミズキとトモキを盾にしている。なら、その盾を飛び越えればいい。
「ヤスさん、エンさん、踏み台になってください! アリアは戻れ! ゴウさんと大文字は二人を3秒抑えてください! 響と夜桜は全員にステータス強化のエンチャント魔法を!」
全員驚いた顔をして、すぐに頷いた。
アリアは光になって消え、ヤスさんとエンさんはアイコンタクトをして、ゴウさんと大文字が気合の声を上げ、響が歌い、夜桜が魔法を詠唱する。
「行きます!」
ヤスさんとエンさんのスクラムのようにがっちり組まれた肩の前まで走る。
「3!」
飛び上がって武器を出し、肩を踏み台にさらに飛ぶ。
「2!」
エンチャント魔法の効果で通常よりかなり高い。
「1!」
愛剣を浮かばせ、それに乗って滑空する。
「アリア! いっけぇえええええええええええ!」
指輪のついている手を振り上げ、叫んだ。
すると、アリアが飛び出し、魚人の近くに着地する。
俺も多刀流を解除して飛び降りる。
愛剣は手の中だ。
「はぁ……はぁ……、観念しやがれクソ野郎が!」
さっき作ってもらったばかりの剣も抜いて臨戦態勢になる。
後ろの方ではミズキとトモキとの戦闘が再開したようだ。
「そっちはまかせた! 二人で頑張ってくれ!」
大文字の言葉に頷いて、ファルネウスの懐に飛び込む。
「アリア、魔法で援護頼む!」
アリアに指示を出して魚人ファルネウスに切りかかる。
「りょーかい、『ファイアニードル』!」
杖を振って俺をはじき飛ばそうとしたファルネウスの左腕に紅の針が刺さる。
傷口から煙が上がる。
「ソレ、継続ダメージだよ!」
アリアが挑発するように再び左腕に熱針を飛ばす。
「ぎぎぎぃ……舐めるな!」
ファルネウスは、刺さっている間ダメージが継続する熱針を右手で抜き、放り投げた。
熱針は床に落ちる前に赤い煙に変わる。
「それはこっちのセリフだ! 『ポリ・カット』!」
多刀流を使い、ファルネウスのアキレス腱と膝裏の筋がある場所を切る。
ポリ・カットとは、カットを多刀流で操っている剣全てに使い、複数箇所を攻撃するという今考えたスキルだ。
当然公式のスキルではない。
「ぐ、ぐぐぐっ、巫山戯るなよ……『間欠泉・グランスプラッシュ』……!」
ファルネウスは跪きつつも魔法を発動した。
左手に持つ杖の先についた宝玉が光る。
突然、ファルネウスの近くから熱湯が吹き出した。
文字通り、間欠泉を召喚するって事か……。
「当たらなければ! どうということは! ない!」
俺は不規則に立ち位置を変える、なぜなら、俺が立った場所から間欠泉が湧くようなのだ。
ターゲット指定式継続系魔法ってところか。
「邪魔しないでくれるかな? 『アイススパイク』!」
アリアが使った魔法は指定した敵の足元から氷の刺を生やすというものだった。
「ぬぅん! 邪魔なのは貴様だ! この出来損ないが!」
杖の宝玉から光が消えた、魔法はキャンセルされたようだ。
「自分の主観でものを話しちゃいけないよ、友達減るよぉ? 『グロウ・アースビーン』!」
アリアがファルネウスをおちょくりながら魔法を発動する。
床から豆の木が生えてファルネウスの身動きを封じる。
――その時。
「や、ら、な、い、か」
「ミズキに手を出す輩はどこですの? この私が成敗いたしますわ」
「なっ! 阿部ルシフェルと黒子美鈴!?」
ミズキとトモキの指輪から二人の人間が現れる。
これによって、こちらが押していた形勢は均衡に陥った。
向こうは6対4、数で勝っていても相手の二人は実質倒れない。
こっちはこっちで二人でファルネウスを倒そうにもボス相手ではHPが少なくなってくる。
ましてや俺は前衛系職業なので敵の懐に入って多少のダメージを覚悟する必要がある。
「くっ……、このままじゃジリ貧だ……!」
諦めかけたとき。
「違うでしょう! そこはあっちをああしてこっちを潰すべきでしょう!」
「おまえは何を言っているんだ? 今はこれが最善策だろう?」
仲間割れを……始めただと……!?
なんとまあ、うん仲間割れするんだったら出てこなかった方が良かったんじゃ……。
何はともあれ、これはチャンス。
「夜桜! 全員に回復! 響は攻撃強化のエンチャント! 一気に決めるぞ!」
補助魔法を使える二人に指示を出して特攻する。
「終わりだ! ファルネウス! 二人は返してもらう!」
HPも回復して攻撃強化も付いた俺は強気に飛び込んだ。
しかし。
「道連れにしてやる! 我は三王の中でも最弱! 元々戦力を削ぐのが役目! 『アクアスクラッパー』!!」
天井から巨大な水の球が落ちてくる。
「いきなり饒舌にボケてんじゃねえぞ他人を操るイワシがああああ! カット! カット! カット! カット! 『カットストリーム』!」
四本の剣をカットで加速させてつむじ風のような気流を作る。
「そんなそよ風で我が切り札が敗れるとでもおもったかぁああぁあああああ!!」
あくまでファルネウスは強気だ。
そこで俺は高らかに宣言する。
「しかぁぁぁぁし! ここでリバースカードオープン! アリアァァァァ!」
俺は囮、本命はアリアだ。
俺はこうなることは予想していなかったが、アリアはしていた様で、さっきからニヤニヤと俺にアイコンタクトを送ってきていた。
「『ヴァルカンヴォルケイノ』!! 効果! 相手は焼け死ぬ! ついでに圧殺される!」
アリアが魔法を発動させると、俺を含めたファルネウスの周囲に魔法陣のようなものが展開される、おそらく「この範囲に魔法が発動します」という警告表示だろう。
ん? 俺を含めた?
「うおぉおぉぉおおおおお! 道連れになる! 道連れになる!」
俺は剣を振るのをやめて猛ダッシュで逃げ出す。
水に圧殺される寸前、俺は魔法陣から飛び出した。
ちなみにファルネウスは跪いていたので逃げられなかった模様。
ズゴゴ――――ン
ファルネウスが自分の切り札に押す潰されるのと同時に魔法陣から火焔が吹き出す。
ふと今まで見忘れていたファルネウスのHPゲージを見ると、HPバーが3本しかなかった。
「あれ? 意外と弱かった……?」
俺があっけにとられているうちにHPバーに記載された数値がゼロになる。
コングラッチュレーションという勝利メッセージが出現するがとりあえず今は無視して決定ボタン連打。
会得アイテム欄を見ずにその画面を消した。
みんなの方に振り返ると、ミズキとトモキが倒れていて、そこをみんなが囲んで介抱していた。
「夜桜、ミズキとトモキは無事か!?」
駆け寄ると夜桜たちはHPの回復をさせているようだった。
「アバターが消えてないから死んではいないみたい、目が覚めるのを待ったほうが良さそう」
夜桜はそう言って回復させる作業に戻った。
「阿部ルシフェルと黒子美鈴は?」
俺は大文字に聞く。
「途中でいなくなっちゃったよ」
大文字はポーションを飲みながら答えた。
トモキの指に目を向ける。
ふむ、まだ指輪は消えてない。
てことは、また出てくるのかあいつら。
まだ、百合で薔薇なままなんだろうなぁ、ミズキもトモキも。
まだまだ敵は一匹倒しただけなのに嫌な予感しかしないぜ……。
内容薄っ!
というわけで。
今回で俺は脱落です。
ろぐ☆あうとはまだ続きますが、俺はここでリタイアなのです。
なぜかというと、生活と両立できなくなってきたからです。
今回も締め切りギリギリでしたし。
短い間でしたが、ありがとうございました。




